時短で、賢く、楽しく子育て。働くママでも、毎日たった5分からできる!知育や子どもの心と体を育てるノウハウを、SakuraEdu代表の荒井聖子さんに教えてもらいます。今回は、いまできる方法で取り組む「かんたん食育」について。
食育は「生きる力」の土台
食育は、知育・徳育・体育の基盤になるべきもので、「生きる力」の土台であると定義づけられています。本などでも食育について細かい説明がされていますが、目的をシンプルに表すと、以下の3つの内容になります。
昨今、食育の重要性があげられると共に、食物を育てて収穫する、料理を作る、調味料を仕込むなど、食育はむずかしいことや手間のかかることだと考えられる一面もあるようです。たしかにこのような活動ができればよいのですが、日常生活ではなかなか実現しにくいでしょう。
食は毎日の子育てに関わるもの、そして食べたものが身体を作るといわれている通り、とても大切なものです。いまできる方法で「かんたん食育」に取り組んでみませんか。
「かんたん食育」4つのポイント
1.バランスよく食べる
毎食一汁三菜の献立を用意しようとしたら、とても無理なことですね。でも、たとえば朝食なら、前夜に野菜と豆腐などをだしパックや昆布で煮ておき、朝起きたら味噌を溶かすだけで十分、卵を入れてもよいですね。あとはごはんがあれば、できあがり。
夕食は、焼くだけ切るだけ煮るだけのメイン1品、もちろん買ってきた惣菜でもよいので、これに野菜スープや味噌汁、あるいは洗っただけ切っただけの生野菜をそえるだけ。ゆるりと1週間くらいで、五大栄養素のバランスがとれるペースを目指せばよいのではないでしょうか。
<五大栄養素>
- 脳と体を活動させる炭水化物…ごはん、パンなど
- 体を動かすエネルギーになる脂質…肉、油など
- 体(筋肉など)をつくるたんぱく質…肉、魚、大豆、卵など
- 体の調子を整えるミネラル…昆布、牛乳、きのこ、野菜など
- 栄養素の働きを助けて体の調子を整えるビタミン…野菜、くだもの、肉、魚など
2.旬のものや土地のものを食べる
旬のものは栄養たっぷり、何よりおいしくて手に入りやすく、値段も手頃です。そして、昔から身土不二(住んでいる場所と身体は切り離せない)という言葉があるように、伝統的に食べてきたものを食べると身体によいとされています。慣れない食事が続くと、胃腸が疲れたなと感じるのはそのせいなのでしょう。
3.楽しく食べる
子どもにとって、食卓は大切なコミュニケーションの場です。大人も子どもも同じですが、何を食べるか?と同じくらい大切にしたいのが、どうやって食べるか?です。
食事がバラバラの時間になってしまっても、子どもが食べる時間は近くにいれば日々の様子が分かりやすく、子どもは嬉しくてたくさん話をしてくれることでしょう。健全な食生活の大切な要素です。
4.少し注意して食べるもの
「食を選ぶ」とはじめにあげましたが、日常的に口にするものは少し注意しておきましょう。たとえば、白砂糖や果糖ぶどう糖液糖を大量に摂取すれば、急激な血糖値の上昇が起きたり、食事が入らなくなってしまったりします。一気に飲むことができるジュースなどは、量やタイミングなど注意が必要です。
また、日本では加工食品の裏に原料の表示がされており、そこではスラッシュ以下に添加物が表示されています。日本は添加物の数がとても多く、規制の強い海外では、同じ商品に健康についての注意書きが表示されていることもあります。今は簡単に検索することができますので、口に入れているものがどのようなものなのか、知識を持っておくとよいかもしれません。
「無理せずラクに、健全な食生活を続ける」、そんな食育を進めていけたらよいですね!
<ライター/荒井聖子>
SakuraEdu代表 コドモンテワークショップ主宰
目黒区民講座講師、幼児教室のコンサルティング、小学校受験指導をしながら、通算100回以上の企画開催。日本モンテッソーリ教育綜合研究所教師、NPO日本食育インストラクター1級などの資格を生かし子育て支援活動を行う。
配信: ぎゅってWeb