猫のトイレの悪臭の原因6つ
人間は継続的に同じニオイにさらされると、脳が徐々にそのニオイを無視するようになるといわれています。つまり、ニオイに慣れてしまうのです。
それでもクサいと感じたら、かなりニオっているのかもしれません。すぐにでもニオイの原因を特定して、対策を講じる必要があるでしょう。
猫のトイレのニオイの主な原因には、以下のようなものが考えられます。
1.尿の蓄積
トイレ本体に残った尿汚れの蓄積も悪臭の原因です。
尿がトイレの底や側面についたままになってしまうと、少量でも時間が経つにつれて、アンモニア臭が強くなっていき、どんなに頻繁に掃除をしてもトイレ本体から悪臭が発生することがあります。
特に固まる砂を使用している場合、砂ごと固まっているところをスコップでこすってしまうとトイレ本体に傷をつけてしまい、さらに取り除きにくくなる可能性があります。
そのため、こびりつきを取り除くためには、定期的に全ての砂を入れ替えることやトイレ本体の清掃が重要になります。
2.砂の質や量が適切でない
使用している猫砂の質や量が適切でないために、ニオイが気になることもあります。
猫のトイレ砂には、鉱物系や再生紙系、おからやひのきなどがありますが、同じ種類でもメーカーによっても吸収力や消臭力に差が出る場合があります。
また、トイレのサイズに適した量の砂が入っていない場合には、吸収できる尿量が限られてしまい、ニオイがトイレの外に漏れやすくなるためです。
砂は愛猫が好みの種類を使用することが大前提となりますが、同じ種類の砂でも消臭力の高いものを選び、十分な量を使うことでニオイも軽減されることでしょう。
3.トイレ本体の清掃不足
基本中の基本ですが、悪臭の原因のひとつには、やはりトイレ本体の清掃不足があります。これは、排泄物の除去とトイレ自体の洗浄を含む2つの方法の両方が必要です。
多頭飼いの家庭でも、適切な数のトイレ(猫の頭数+1)があれば、一日に2~3回掃除するだけで悪臭を防ぐことができます。
また、トイレ本体には見えにくい悪臭成分が蓄積して、砂を掃除してもトイレ全体からニオイが発生してしまいます。
そのため、トイレの悪臭対策には、猫の排泄物を適切に取り除くだけでなく、トイレ本体も定期的に丸洗いする必要があるでしょう。天日干しも有効です。
4.高温多湿の環境
猫のトイレを置いてある場所が、高温多湿の環境にあることでも悪臭問題が出ることがあります。
温度や湿度が高いと、アンモニアなどのニオイの成分が揮発して、部屋に充満してしまいます。
たとえば、脱衣所の近くや空気が滞留している部屋の隅っこに猫のトイレが置いてあると、ニオイを発しやすくなるかもしれません。掃除をきちんとしていてもモワッと臭うことがあります。
もちろん、猫が落ち着いて排泄できる場所にトイレを設置することは大切ですので、換気や送風をして温度と湿度に注意するようにするとよいでしょう。特に、夏場や梅雨の時期には、除湿機を利用するなど快適な環境を維持すると効果的です。
5.食事の影響
排泄物は食べたものから作られるため、食餌によって便臭が強くなることもあります。
完全肉食動物の猫にとって動物性たんぱく質は重要な栄養素です。しかし、腸内細菌の悪玉菌は、動物性たんぱく質を分解する際に悪臭のもとまで発生させます。
そのため、動物性タンパク質を多く含むキャットフードは、栄養価が高い良質なフードで、猫の筋肉や組織の維持に役立つものの、ほかの栄養素とのバランスが悪くなると悪臭便の原因になってしまう可能性があります。
また、脂質が多いものや消化の悪い食事も便臭を悪化させます。
6.疾患の影響
トイレが悪臭の原因となることもあれば、疾患による排泄物の悪臭が原因となることもあります。特に細菌性の膀胱炎や下痢は、健康時の排泄物よりも強いニオイになります。
細菌性膀胱炎では、刺激のある強いニオイが特徴です。これは、尿に含まれる尿素が細菌により分解されてアンモニアが発生するためです。
また、消化不良や腸内の異常によって、腸内細菌のバランスが乱れて、軟便や下痢になるときも便が臭くなります。悪玉菌のせいで、揮発性のニオイ成分が増加するためです。
これらの排泄物がトイレに残っていれば、かなりの悪臭となるでしょう。
トイレのニオイが気になる時
猫のトイレがニオってきたら、試していただきたい方法を紹介します。
まず、なによりも先に猫の健康を確認してください。軟便や下痢であれば、原因を検討して必要であれば獣医師に相談することが先決です。
さらに、次のような対策を試してみてください。
排泄物の取り残しがないかチェック
砂の量(深さ)を調整する
トイレごと天日干しして湿気を除去する
トイレ砂を新しいものに交換する
本体を丸洗いする
トイレ周りも拭き掃除をする
空気清浄機を使用する
ニオイの原因がトイレであれば、本体を丸洗いして全砂を入れ替えれば、おおむねニオイはなくなるはず。ただ、使用している砂があまりにも消臭力がない場合は、猫が嫌がらない程度に時間をかけて、ほかの種類に切り替えてみるのも方法のひとつです。
しかしトイレを丸ごと洗うのはなかなか大変です。洗っている時間がないときには、砂を避けて消臭消毒液をたっぷりスプレーして中をふき取るだけでも、だいぶ改善できるでしょう。
注意点としては、すでにクサいトイレの消臭対策に、香りのついたトイレ砂や消臭剤を使用しないようにしてください。ニオイが混ざって異臭となる可能性があるだけでなく、嗅覚が敏感な猫が化学性の香りをストレスに感じることがあるためです。
配信: ねこちゃんホンポ