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2024年5月11日から5月12日にかけて日本各地でオーロラが観測され、話題になりました。
オーロラといえば一般的に高緯度で起こる現象ですが、太陽フレアと呼ばれる現象が活発になると日本で観測できる場合があります。
オーロラは美しい放電現象である一方、そのもとになる太陽フレアは通信障害や停電、人工衛星などに障害をもたらし、私たちの生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。
今後しばらくは太陽活動が活発な状態が続くとされているため、生活にもたらす影響についても知っておくことが大切です。
今回の記事では、オーロラの仕組みや生活にもたらす影響、対策などを紹介します。
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太陽フレアとは
太陽フレアとは、太陽の表面にある黒点周辺で起こる大爆発のことです。黒点とは太陽の表面にある黒い斑点のことで、周囲より気温が低く、磁場が強いという特徴があります。
太陽フレアが起こる原因は完全に解明されているわけではありませんが、太陽の黒点が多いほど太陽フレアも起こりやすいとされています。
太陽フレアが発生すると、電気や磁気を帯びたプラズマと呼ばれるガスが大量に発生し、太陽風として地球にやってきます。ただし、地球には磁気バリアと呼ばれる防御システムがあるため、太陽風がやってきても地球表面には到達せず、私たちが何かを感じることはありません。
オーロラとは
引用:環境省「オーロラ」
オーロラとは、太陽風に含まれるプラズマ粒子と大気中の原子や分子が衝突した際に発生する放電現象です。つまり、太陽フレアによって生じた太陽風が、地球の大気と衝突することによって生じます。
オーロラが北極や南極などの高緯度で発生しやすいのは、太陽風には磁気があるため、磁気を持つ北極(S極)や南極(N極)にプラズマ粒子が引き寄せられるためです。一方、太陽フレアが活発になって太陽風が強くなると、北極や南極だけでは収まりきらず、今回のように低緯度に広がってオーロラが見える場合もあります。
また、オーロラにはさまざまな色がありますが、これはプラズマ粒子と衝突する原子や分子によって変わります。例えば、酸素原子とぶつかるとグリーンや赤色、窒素分子とぶつかると紫色や赤色のオーロラが発生します。
日本では主に赤色のオーロラが多いですが、これは赤色のオーロラが上空の高い場所で発生するためです。そもそも低緯度でオーロラが見えるといっても、実際にオーロラが発生している場所は高緯度の上空です。日本でオーロラを見る場合、はるか北の上空を眺めることになりますが、地球は丸いこともあって高度の低いオーロラは水平線に隠れて見えません。そのため、高度の高い赤色のオーロラが多く観測されます。
緑色系のオーロラは上空の比較的低い高度で発生するため、日本で観測できる可能性は低くなります。
配信: 防災ニッポン