一人暮らしの母から「年金15万円だけでは足りない」と仕送りを求められます。自分も子育て世代45歳で余裕がないのですが、援助すべきでしょうか?

単身生活をする高齢の親が「年金だけでは足りない」と仕送りを求めてくる場合があるかもしれません。しかし自分も子育て世代で経済的に決して楽ではない場合、援助すべきか否かで迷うでしょう。例えば一人暮らしの母親が年金15万円の場合、本当に生活していけないのでしょうか。
 
そこで今回は、親への仕送りをしている人の割合や、単身で年金15万円は平均と比べて低いのかについて調べてみました。親への仕送りをする際に考えるポイントもまとめていますので、参考にしてみてください。

親へ仕送りをしている人の割合はどのくらい?

総務省統計局の「令和4年国民生活基礎調査」によると、親へ仕送りをしている世帯の総数は113万8000世帯で、全体の約2.1%でした。そのうちの40代世帯は24万4000世帯で、40代世帯全体の約3.2%です。総数と比較すると、親へ仕送りをしている人の割合は低いほうだといえるでしょう。

 

仕送りの金額については、親のみへ仕送りをしている人の平均額は5万6000円です。しかし金額の割合で多かったのは2万~4万円で、多くの世帯が自身の収入に合わせて無理のない範囲で金額を決めていることが読み取れます。

 

親に仕送りをしている113万8000世帯中、仕送りの目的を「その他のみ」としたのは83万4000世帯でもっとも多い答えでした。次いで「入所・入院費のみ」の29万3000世帯、「入所・入院費とその他」の1万1000世帯が続きます。「その他」の詳細は記載されていませんが、生活費の援助を目的に仕送りをしている人がいると考えられます。

 

単身生活で年金15万円……。平均と比較して生活できないほど低い?

単身生活で年金15万円をもらっていれば、生活していけるのではないかと考える人もいるでしょう。厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2022年度末の平均年金月額は男女全体で14万3973円(男:16万3875円/女:10万4878円)です。単身生活の母親がもらう年金は、平均的な金額であることが分かります。

 

単身高齢者に必要な生活費の目安については、総務省統計局の「家計調査報告[家計収支]2022年(令和4年)平均結果の概要」を参考にします。

 

同調査によると、65歳以上の単身無職世帯の消費支出は14万3139円であるとのことです。手取りの年金額が15万円の場合は、ギリギリの生活になることが予想できます。しかし持ち家なのか賃貸なのか、かつ、生活費に回せる十分な貯蓄があるかなどによっても、年金15万円で生活できるか否かは異なるでしょう。

 

関連記事: