猫のための暑さ対策4つ
1.エアコンの設定を調整する
夏の暑さ対策でやはり有効なのは、エアコンを使用することです。
ただ、猫のなかにはエアコンが苦手な子も多いため、使用する際はエアコンの温度設定に気をつけましょう。しかし、だからといって温度を高めに設定すると、熱中症に陥る危険性もあります。
快適な温度を追求することも大切ですが、猫の体を健康に維持する温度と快適な温度は必ずしもイコールではないことも覚えておきましょう。
どうしても苦手な子は直接エアコンの風邪が当たらないような風向きにするなどの工夫が必要です。
送風口の先にベッドやキャットタワーなど、猫がくつろぐ場所がある場合は、風が直接あたらないように風向きを調整することも、お忘れなく。
また、寝ていると体温が下がって寒く感じるため、ドーム型ベッドやブランケットを寝床に用意してあげたり、自分で居場所を変えられるよう、ほかの部屋と行き来できるようにしたり、寒さ対策をすることも大切です。
2.窓をあけて風を入れる
気温が高くても、風があるときには窓を開けて自然の風を通すことで、部屋の熱気を和らげることができます。
自然な空気の流れを作ることで、室内の温度を下げて快適さを向上させるためです。
窓を開けるときは一ヵ所だけを全開にするのでなく、複数の窓を少し開けることで風通しを良くし、溜まった熱気を逃がすことができます。
間取りや立地にもよりますが、可能であれば、北側と南側の窓を同時に開けると効果的です。風を取り入れる側の窓は10〜15cmくらい開け、出す側は全開にしておくと風通しが良くなります。
ただし、窓を開けると外部から部屋の中が見えますので、防犯上の注意は忘れないようにしましょう。
外の気温も高い時はあまり効果が見られない場合もあるため、状況をきちんと判断することが大切です。
3.除湿機+扇風機で湿気を取る
夏場の苦しさは、暑いだけでなく、湿度の高さに影響されます。
暑い中で扇風機を回しても、ぬるい風が廻るだけですが、除湿器と組み合わせることで、だいぶ暑さは軽減できるでしょう。
全身に汗腺がある人間とはちがい、猫は被毛で覆われている上に肉球でしか汗をかけません。そのため、身体に熱がこもりやすくなります。
湿度が高いと被毛の周囲に熱気が停滞するため、積極的な除湿は不快を取り除くことができます。エアコンが苦手な猫も、除湿機は寒くならないため、猫の快適性を守るために重要なのです。
ただし、除湿機は排熱によって室温が上がることがあります。吹き出し口は室外に向け、扇風機の裏側に凍らしたペットボトルなどを置くと、より快適さを保てます。
4.ひんやりグッズを活用
猫用のひんやりグッズは、取り揃えておいて損はありません。エアコンが苦手な猫だけでなく、エアコンを切ってしまう時間帯にも活用できます。
ひんやりグッズには、接触冷感生地やアルミ素材の猫用ベッド、ジェルマットなどがあります。これらのグッズは、特に製品を冷やす必要はなく、そのまま使用できます。
また、保冷剤やペットボトルを凍らせたものをタオルに巻いて、寝床の近くに置いてあげても体温の上昇を抑えて、猫の熱ストレスを緩和できます。
ただし、このようなひんやりグッズは、その場が冷たい(熱くない)だけなので、部屋の温度湿度が高いときには温まってしまい、思うように冷えないことがあります。そのため、グッズを使用しているからといって、放置してしまうのは厳禁。猫の様子はこまめに見ておく必要があります。
5.水をこまめに取り替える→流れる水(給水器)がおすすめ
暑い時期ほど、いつも以上に積極的に飲水量を増やすような工夫をしましょう。十分な水分補給をすることで、脱水の危険性を回避できますし、適切な排尿は、体温が上がりすぎないように調節する効果もあります。
猫に必要な水分は、体重1kgにつき50〜60mlです。体重4kgなら、200〜240ml(コップ1杯程度)で、食べ物に含まれる水分を抜いた分を飲水などで摂取する必要があります。
ウエットフードやスープの活用も水分摂取の補助になります。また、流れる水を好む猫は多いので、ウォーターファウンテンタイプの器を使ってみるのもよいでしょう。
ただし、給水器の水はフィルターなどに雑菌が湧きやすいため、ポンプやフィルターはこまめに清掃する必要があります。常に新鮮な水を飲める環境を整えるようにしましょう。
こんな様子が見られたら注意!
暑さ対策をしていても、30℃を超える猛暑の日や湿度の高い日には、熱中症のリスクが高まります。
もし、次のような兆候が猫に見られたら、緊急対応が必要です。
食欲不振
高熱
震え
口呼吸
よだれ
嘔吐
無気力
歩行不能
暑さによって体温が平熱以上(39℃以上)になると、熱中症の疑いがあります。すぐに涼しい場所へ移動させて身体を冷やしましょう。
氷をポリ袋に入れたものや保冷剤などで、首や鼠径部などを冷やします。氷や保冷剤は直接当てると凍傷になる危険があるので、必ずタオルにくるんでから使いましょう。
脱水などがあれば皮下輸液などを行う事も可能なため、様子見だけにせず動物病院を受診しましょう。キャリーバッグの中の温度も高くなりやすいため、動物病院へ連れて行く際も、身体を冷やしながら移動するようにしてください。
配信: ねこちゃんホンポ