屋内の暑さ対策!熱中症予防についても解説


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熱中症の40%以上は屋内で起きています。屋内にいても暑さ対策・熱中症対策をしっかりと心がけましょう。

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屋内でも熱中症に要注意

総務省の発表によると、2023年5月から9月に熱中症で救急搬送された人は91,467人。意外なことに、熱中症になった場所をみると、敷地内を含む住居が36,541人(39.9%)と最も多くなっています。

参考:総務省「熱中症による救急搬送状況(令和5年)「発症場所別(構成比)9ページ」

また工場、作業所等を含む仕事場や、劇場、ライブ会場など、屋内施設での熱中症も多数発生しています。

災害級といわれる近年の暑さでは、直射日光の当たらない屋内にいても熱中症になる危険が高いため、注意と対策が必要です。

屋内でも水分補給を忘れずに行おう

屋内ではエアコンの冷房を利用して快適な室温を保つことが熱中症予防の近道です。とはいえ、電気代の高騰が気になる人も多いはず。環境への配慮や省エネの観点を持ちつつも、エアコンと併用した暑さ対策をとることが重要です。熱中症を予防するためにまず心がけたいのが、こまめな水分補給です。

アルコールで水分補給は×

1日に飲むべき水の量は、食事からとる水分をのぞいて成人で1.2リットルが目安です。夏はビールのおいしい季節ですが、1.2リットルのなかにはアルコールは含まれないと考えましょう。

「水分補給はこまめに、のどが渇いたと感じる前に」とよくいわれるのは、人は軽い脱水を起こしているとき、のどの渇きを感じにくくなるからです。1日1.2リットルは飲めていないという人は、飲む時間を決めて水分補給することを心がけましょう。

作業時、運動時には塩分補給も

たとえ屋内でも、エアコンの効かない場所で長時間の作業をしたり、激しい運動をしたりすると熱中症のリスクが高まります。大量に汗をかいて体の水分が失われると、体内の塩分バランスが乱れて脱水しているのにのどの渇きを感じにくくなる点にも注意が必要です。水分をとるだけでなく、塩分も同時にとるようにしてください。

就寝中の脱水に注意

屋内での熱中症は、夜間や就寝中にも起きています。寝ている間にも汗をかいて水分が失われていきますが、就寝中の熱中症は周囲も本人も気づきにくく、重症化する恐れがあります。入浴後、就寝前、起床後すぐの水分補給を心がけましょう。

汗をかくことを恐れずに

夏は汗をかきやすい季節ですが、汗の匂いが気になったり、服が汗でシミになったりしやすいからといった理由で水分を控えるのは危険です。汗は、乾くときに気化熱で体温を下げてくれます。人体は汗をかくことで体温を調節しているので、夏は適度に汗をかくことが熱中症の予防にもつながります。汗で失われる分の水分をしっかりとって、汗の匂いや汗ジミの対策は別の方法で行いましょう。

暑さ対策は何度から行う?

夏の室内温度は、環境への配慮や外気温との差が大きくなりすぎると体の負担になることなどから、28℃を目安にするとよいとされています。しかし、28℃以下であれば暑さ対策をしなくても大丈夫というわけではありません。風の有無や、湿度の高さも熱中症のリスクを左右するからです。

暑さ指数(WBGT)を参考にしましょう

暑さ指数(Wet Bulb Globe Temperature/湿球黒球温度)は気温だけでなく、湿度や日射・輻射(ふくしゃ)などの周辺の熱環境も取り入れた、熱中症を予防するための指標です。

全国の暑さ指数は、環境省が運営する「熱中症予防情報サイト」で確認できます。暑さ指数に応じた、日常生活や運動に関する指針も発表されているので、暑さ対策の目安としてください。

高齢者や乳幼児は早めの暑さ対策を

東京よりも涼しいはずの北海道や、本格的な暑さが始まる前の5~6月にも熱中症の搬送者が多いのは、体が暑さに慣れていないことが関係しています。また、高齢者や乳幼児は熱中症にかかりやすいので、無理をせずに早めに暑さ対策をとりましょう。