私の父母方ともに祖父母は健在でしたが、両祖父母の家は「亭主関白」の言葉がぴったりの家庭でした。そんなある日、2人の祖母が同時期に入院し、介護問題も同時に降りかかってきたのです。どう考えても人手が足りない……孫の私が家族の介護に携わったときの体験談です。
2人の祖母の入院
ある日、私の母の携帯電話が鳴りました。相手は祖父からで、「お母さんが2階から下りてこないから見に行ったら、意識がない」とのことでした。すぐに救急車を呼び、急いで病院へ向かうと、医師からは「状態を見たところ、長時間意識がなかったと思う。このままでは命が危ない」と言われました。
その翌週、いつも通り仕事をしていた私は、会社で父からの電話を受けました。「お袋が交通事故に遭った。今から病院に向かうから来てほしい」と言われ、母方の祖母とはまた別の病院へ向かったのです。
病院では、普段は弱音など吐かない祖母が「痛い痛い……」と言っていました。医師からは「緊急で手術が必要です。入院も長期になる可能性があります」と告げられました。こんなにも不幸が続くものか……と、ぼう然としたことを覚えています。
祖父の認知症
両祖父母の家はどちらも祖母が家事全般をしていたため、祖父は何がどこにあるのかすらわかりません。両祖母がこのような事態になってしまい、両祖父は大きなショックを受けていました。そのため、家族総出で入院する2人の祖母の身の周りの世話をしつつ、2人の祖父にも会いに行く生活が続いていました。
しばらくして家族の皆が薄々気付き始めたのですが、両祖父は少しずつ認知症の症状が出始めていました。両祖母が急に入院し、ひとりでいる時間が増えたことが影響しているのか、ペースは違えど両祖父の認知症が進行していたのです。
配信: 介護カレンダー