抗酸化作用のあるカロテン量が野菜の中でもトップクラス!
料理に添えられている脇役のイメージが強い「しそ」ですが、実は驚くべき栄養を秘めています。抗酸化作用があるβ(ベータ)-カロテンが豊富な緑黄色野菜であり、その含有量は野菜の中でもトップクラスを誇ります。可食部(食べられる部位)100gあたりのβ-カロテン当量は11000μg (マイクログラム)で、同分量の葉ネギ(青ネギ)の7倍以上も含まれています。ほかに、ビタミンKやビタミンE、葉酸、カルシウムや亜鉛などのミネラルも豊富です。
しそ10枚の目安量が約7gなので、価格がお手頃で大量消費しやすい夏は、薬味として食べるだけではもったいない!と言えそうです。
※「日本標準食品成分表(八訂)増補2023年」に記載の「しそ 葉 生」の栄養成分より。
▲お刺身に青じそが添えてある理由は彩りだけではなかった!
防腐作用のある香り成分、認知症予防効果が期待されている成分も!
注目成分は、シソ科の植物に含まれるポリフェノールの一種であるロスマリン酸で、アレルギー反応を抑える働きや認知症予防の効果が期待されています。このロスマリン酸は、青じそよりも赤じそに多く含まれているそうです。
また、すがすがしい独特の香りは、主にペリルアルデヒドという芳香成分で、防腐作用があることでも古くから知られています。お刺身のつまや、梅干しや漬け物などの長期保存食品に用いられてきた理由が、ちゃんとあったわけです。この香り成分には胃液の分泌を促す働きもあり、暑さで食欲が落ちやすい夏にぴったりといえそう。続編では、青じそ(大葉)の保存のコツと、おすすめの食べ方をクローズアップしたいと思います。
※参考文献:参考文献:杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、名取貴光監修『新・野菜の便利帳 健康編』高橋書店,2016、板木利隆監修『新・野菜の便利帳 おいしい編』高橋書店,2016、白島早奈英・板木利隆監修『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』高橋書店,2009、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、レジア編『日本の食材図鑑』新星出版社,2018
(野村ゆき)
配信: LASISA
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