【獣医師が解説】猫のノミ・ダニ予防について 予防薬の選び方からよくある疑問まで解説

【獣医師が解説】猫のノミ・ダニ予防について 予防薬の選び方からよくある疑問まで解説

ノミやマダニはどうして予防しなくてはならないの?どんな予防薬をいつから使えばいいの?などの疑問について解説します。

ノミダニ予防をする期間は?

ノミやダニはいつ予防を始めれば良いか、というのは動物病院でもよくいただく質問です。

基本的にはノミ・ダニの活動が活発になるのは春から夏が多く、平均気温が18~27℃、湿度も高めな方がより活発になると言われています。

しかし気温13℃で繁殖が可能という研究もあり、暖冬の傾向がある近年では早めの対策や通年予防を推奨する傾向もあります。また地域差もありますので、お近くの動物病院で予防期間を尋ねてみるのも良いでしょう。

予防薬の選び方

ネコちゃんのノミ・ダニ予防薬は、各メーカーが多くの種類を出しています。どの予防薬を選べばよいか、悩んだ方も多いのではないでしょうか。

ネコちゃんでは薬を飲ませることが困難なことが多いため、予防薬の多くは【滴下剤(スポット剤)】になります。

【スポット剤の特徴】

皮膚に滴下することによって、皮脂腺に薬剤成分が蓄えられ、持続的に効果を発揮する。
投薬が苦手な子にも投与しやすい。
ノミやダニが吸血しなくても効果を発揮する。

皮膚に直接滴下するので、もちろん皮脂腺に薬剤成分が移行するまでの間はシャンプーを控えなくてはなりません。

皮膚への刺激に敏感な子の場合、滴下した箇所を気にして掻いてしまったり、薬を舐めて涎が出てしまうこともありますので、特に口の届きにくい箇所(首の後ろなど)に滴下することが推奨されています。

ネコちゃんはワンちゃんに比べて身体が柔らかく、グルーミングもよくおこなう動物ですので、肩よりも頭側に滴下するのが望ましいでしょう。

基本的には1ヶ月に1回の投与を推奨されているものが多いですが、中には3ケ月効果が持続する薬も開発されています。

また、お腹の虫(内部寄生虫)にも効果を示すもの、耳ダニ(ミミヒゼンダニ)や疥癬(かいせん)にも効果を示すものなど、製品によって効果も様々です。

ワンちゃんでは有名な「フィラリア症」という心臓に寄生する寄生虫を予防する効果があるものも、近年では開発されています。フィラリア症は主にワンちゃんの病気ですが、ネコちゃんでは少数の感染でも重篤な症状を起こすことがあると言われています。

妊娠中や授乳中、体重や月齢によって使える薬が限られていることもあります。

また、市販のノミ取り首輪なども販売されていますが、基本的には忌避剤であり、駆除や予防効果は低いとされています。効果やその持続期間も動物病院で処方している予防薬の方が高いという研究がなされています。

まずはかかりつけの動物病院で、自分のネコちゃんに合った予防薬を相談してみるのが良いでしょう。

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