空を見上げて、鳥のように飛べたら自由になれる気がした。自分の人生に何の価値もないと思っていた中年男性が「空を飛べる」力をもらう代わりに自らの人生を売った(@mangaka_tsumi)勝見ふうたろーさんの「飛ぶ男」を紹介しよう。本作は、2024年5月に投稿された読み切り漫画で、4000を超えるいいねがついた。
■人生を対価に飛ぶ力を手に入れた
43歳独身サラリーマンの長島夢彦は毎日ブラック企業で心をすり減らし「誰も居ない場所に行きたい」と考えてしまう自分はとても疲れていると感じた。そこへ突然「空を飛んでみたくないですか?」と怪しい名刺をもった人物に声をかけられた。その対価は夢彦の人生であった――。
「飛ぶ男」秘話や制作のきっかけについて作者に話を聞いた。
■漫画は絵が面白いことが大事
漫画を始めたきっかけは松本大洋さんの作品「鉄コン筋クリート」だという。感情や物語を絵だけで描いていることに圧倒され、こんな味わいのある作品を描きたいと思ったのがはじまりだと語る勝見ふうたろーさん。
漫画は絵が面白いことが大事だと考え、今回は「背広のおじさんが空を飛んでいる」というインパクトある絵を描くことにしたそう。また、作者にとって「月というものが綺麗で魅力的でパンドラの箱のようなイメージが強くあります。まさに欲しいけれど、実際に手にしてはいけないもの」の位置づけになっているのだ。序盤は楽しくラストに向け少しずつ深いテーマに変化していき「こういうの好き」「大変おもしろい」と読者からの声が多く届いている。
勝見さんの作品には、他にも「飛ぶ男」のような奇妙な話も多くあるが、ヒューマンドラマやエッセイも多く描いており、興味があるものは何でもやってみようというスタンスのようだ。
取材協力:勝見ふうたろー(@mangaka_tsumi)
配信: Walkerplus
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