ドライフラワーとは?
花は空間を華やかにし、心を和ませてくれますが、数日もすれば枯れてしまうのがネックです。水替えを忘れてしまうという人も多いでしょう。
忙しいママや一人暮らしの女性は部屋に「ドライフラワー」を飾ってみてはいかがでしょうか?
プリザーブドフラワーとの違い
「ドライフラワー」は植物の花や果実、葉などを乾燥させたものです。水分を完全に蒸発させているため、カサカサとした硬い触感があります。
生花は数日から1週間程度で枯れてしまいますが、ドライフラワーの寿命は保存方法に気を付ければ3カ月以上持たせることが可能です。
長持ちする花といえばドライフラワーと並んで、「プリザーブドフラワー」を思い浮かべる人もいるでしょう。
プリザーブドフラワーもドライフラワーの一種ですが、水分を抜いた後、保湿成分と色素を含んだ「プリザーブド液」を花に吸わせるのが特徴です。
ドライフラワーはアンティークのようなシックな風合いが魅力なのに対し、プリザーブドフラワーは生花のようなみずみずしさと鮮やかさが感じられます。
ドライフラワーに適した植物は?
ドライフラワーに適した植物には、バラ・アジサイ・ミモザ・カスミソウ・スターチス・フランネルフラワー・コットンフラワー・ケイトウなどが挙げられます。
これらの植物は水分量が比較的少なく、花びらが変色しにくいのが特徴です。ユーカリやラベンダーなどのハーブ系もドライフラワーに適しているでしょう。
逆に、ドライフラワーに不向きなのが、ユリ・カラー・ガーベラ・菊・桜・スイセン・多肉植物などです。
水分量が多い・変色しやすい・花びらが薄くて落ちやすいといった特徴のある植物はきれいに仕上がりません。
また、ワスレナグサなどの小さな花は、乾燥すると花びらが縮こまりやすいので、作り方にも注意が必要です。
ドライフラワーおすすめの飾り方は?
水が不要のドライフラワーは様々な飾り方が可能です。存在感のある花を一輪挿しにするのもよし、たくさん束ねてつるすのもよし、思いのままにアレンジを楽しみましょう。
花瓶に刺してシンプルに
花瓶に花を挿すのは、もっともオーソドックスな楽しみ方のひとつですが、どんな花瓶と花材を組み合わせるかによって、雰囲気ががらりと変わります。
透明のシンプルなガラス瓶を使えば、ナチュラルな雰囲気が演出できる上、植物の葉や茎のユニークな形状も楽しめます。
コロンとした丸みのある花器とスマートな草花を組み合わせてコントラストを引き出したり、メタリックな花瓶を使いモダンな印象に仕上げたりとアイデア次第で様々な飾り方ができるでしょう。
生花を花瓶に挿したままドライフラワーにしたいときは、乾燥過程で茎がふにゃっと曲がってしまわないしっかりした植物を選ぶのがポイントです。
束にしてつるす方法もすてき
束にして壁や天井につるせるのは、ドライフラワーならではの楽しみ方です。
束ねたドライフラワーを天井のダクトレールやサークルフック、木の棒につるすだけで、いつものリビングがカフェのようなおしゃれな空間に早変わりします。
玄関につるせば、家に帰ってきたときにたくさんの花たちが迎えてくれるでしょう。
花だけをつるすのもよいですが、小さな雑貨やモビールを一緒に飾ったり、リース状にして壁につるしたりするのもおすすめです。
また、ドライフラワーは1個、2個だけを飾るより、1カ所にまとめて飾ると雰囲気が出ます。ドライフラワーのコーナーや部屋をつくるのもよいでしょう。
感性に任せてただ置いてみる飾り方も
生花と違って、ドライフラワーはテーブルや棚の上に直接置くこともできます。自分の感性に任せ、花がもっとも美しく見える角度や位置を探してみましょう。
同じ種類の物を束にして、2~3個まとめて置くと存在感が増しますし、木箱から花をのぞかせるように置けば、かわいらしい雰囲気になります。
お気に入りのファブリックを敷いてみたり、小物類とのアレンジを楽しんだりと、ディスプレーのアイデアは無限大です。
自分の好きな花で作ってみよう・作り方
ドライフラワーは誰にでも簡単に作ることができます。庭先で摘み取った季節の花や大切な人にもらった花束を、さっそくドライフラワーにしてみましょう。
好きな花をつるして作る
ドライフラワーを作る方法はいくつかありますが、1番簡単なのが「自然乾燥」です。
「ハンギング法」や「ワイヤリング法」とも呼ばれ、窓辺や室内など「風通しのよい場所」に逆さに束ねた花をつるしておきます。
花がつぼみのときは、つぼみが完全に開くのを待ってからドライフラワーにするのがよいでしょう。つぼみの状態では、水分が抜けにくく、乾燥する前に花の色が悪くなってしまいます。
また、茎が折れやすいものは花の2~3cmほど下でカットし、ワイヤーをなかに挿しこんでからつるしておきましょう。
直射日光の当たらない場所に1~2週間つるし、水分が完全に抜けたら完成です。
シリカゲルを使う方法も
ドライフラワー用の「シリカゲル」を使うと、生花の鮮やかな色合いや立体的な形が残りやすく、より美しいドライフラワーに仕上がります。
シリカゲルはネット通販やホームセンターなどで1kg1000円前後で手に入ります。密閉できる深めのタッパーとピンセット・スプーンを用意しましょう。
まず、密閉できる容器に2~3cmの厚さでシリカゲルを敷き詰め、花首の2~3cm下でカットした花を上向きに並べていきます。
スプーンでシリカゲルを花全体にかけ、完全に埋まったところで蓋をします。冷暗所で1週間ほど保管しましょう。
その後、容器の中身をお皿に取り出し、花の隙間に入ったシリカゲルをやさしく取り除いたら完成です。
きれいに飾るための注意点
ドライフラワーは飾り方や環境によって寿命が決まります。より長く楽しむための注意点を確認しましょう。
高温多湿を避けて飾って
保管の方法が正しければ、ドライフラワーは数カ月、数年と長持ちします。逆に、適切でない飾り方をすれば、変色や傷みが早まるでしょう。
ドライフラワーは「高温多湿」が苦手です。じめじめした場所に飾っておくと、カビが生える原因になり、直射日光が当たる場所は花びらが日焼けしてしまいます。
廊下や階段、日光が当たりにくい窓際など、風通しがよく湿気の少ない場所に飾りましょう。また、ほこりもカビの原因になりますのでこまめに払います。床は湿気が集まりやすいため、天井に近い場所に飾るのがベターです。
ドライフラワーの寿命の見極め
ドライフラワーにも寿命があります。どのくらい持つかは環境によって左右されるため一概にいえませんが、寿命を見極めるいくつかのポイントがあります。
まず、ドライフラワーの表面に白いふわふわした物質が付着していたら、早めに処分しましょう。ほこりのように見えるものは「カビ」です。
原因としては、雨などが続き、花が湿気を吸ってしまった可能性が高いでしょう。放置しておくと虫がわく場合もあります。
また、葉や花がグレーや茶色に変色してきたときも寿命のサインです。形が崩れ、枯れた草花のように元気がなくなってきたものは、早めに取り外しましょう。
まとめ
ドライフラワーはつるしたり、直置きしたりと様々なディスプレーが楽しめるのがメリットです。作り方に手間がかからないため、初めての人でも挑戦しやすいでしょう。
ドライフラワーの寿命は環境によって左右されます。美しい花の色や形をより長く堪能したいなら、湿度や温度、光に気を付けましょう。