世界の花火と日本の花火の違い
外国から花火が伝わったということですが、日本の花火とどのような違いがあるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
形や色の違い
日本の花火はどこから見てもまんまるな形に見えますね。
しかし、外国の花火は平面的に見えるそう。その違いは、花火の構造にあります。
日本の花火は球形の花火玉を打ち上げるため、まんまるく大きく広がります。対して外国の花火玉は円筒形のため、星が一定方向に飛ぶので平面的な柳のような形になるのだそう。
さらに、外国の円筒形の花火玉は容積が大きく中に入れる星を多くできるため、花火の燃焼時間も日本に比べて長めなのだそう。
もともと日本では、庶民の文化として広がっていったこともあり、多くの人がさまざまな方向から眺めて楽しめるようにする必要がありました。そのため、高く打ち上げてどこからでも美しく見える球状になりました。
一方ヨーロッパでは、主に貴族がお祝いごとなどのイベント時にお城で楽しむものだったため、高度も低く平面的だったようです。
また、日本の花火は色の変化が美しいのが特徴ですが、外国の花火は明るい色が多いのが特徴で、火薬を一種類しか使わないため色の変化がないそうです。
花火の文化がない国もある?
国際連盟に加入している193カ国のうち、なんと花火の文化があるのは約30の国だけだそう!
もともと花火が文化として存在しない国の方が圧倒的に多いのです。
参考
・日本と海外の花火、どう違う?それぞれの文化や思いを知ろう|プリンス英米学院
・海外のHANABIが今オモシロイその理由 | WebLEON LIFESTYLE
世界の花火事情
中国
中国は火薬を発明した国でもあります。観賞用の花火が作られるよりももっと前から魔除けとして爆竹が使われてきましたが、近年ではお祝いとしても使われているそう。
日本の花火の製造技術を取り入れた打ち上げ花火の製造が増えており、中国は世界最大の花火生産国となっています。
また、日本の花火大会でも7割ほどが中国製の花火といわれているそうです。
アメリカ合衆国
アメリカでは新年や独立記念日のほか、イベントやショーなどの演出として花火が使用されています。
日本の花火大会のようなものではなく、ほかのイベントを盛り上げるために打ち上げられるのが一般的なのだそう。海外の花火の「明るく燃焼時間が長い」という特徴は、これらの演出にぴったりですね!
普段花火の使用や販売を禁じられている州でも、新年や独立記念日は解禁されるようです。
ニュージーランド
ニュージーランドでは、家畜である牛や羊のストレスになったり火事の原因になったりするという理由から、花火の販売は年に一度の数日間だけなのだそう。
11月5日の「ガイ・フォークスデー」という祝日前後で花火が許可されています。普段は禁止されているということもあり、この期間はいろんな場所で花火を打ち上げる様子が見られるそうですよ。
ヨーロッパ
ヨーロッパでは、お祭りや記念日に花火が打ち上げられることが多いそう。
先述したように、日本の球形とは異なる円筒形の花火を打ち上げるため、平面的な柳のような形になります。
花火の音を楽しむスペインやイタリアのほか、なんとギリシャではお祭りの中で花火を飛ばしあうそう!
国それぞれで花火の用途が違っていておもしろいですね。
参考
・【外国の子どもの習慣】日本の夏の風物詩「花火」 外国での楽しみ方は? | Gymboree
まとめ
・火花の起源は中国ののろしから
・日本で初めて花火を見たのは徳川家康
・「たまやー」などのかけ声は江戸時代の花火師の屋号
・日本の花火が美しいのは炎色反応を上手く使いこなしているから
・日本と海外の花火の違いは主に色と形と用途
日本の夜を美しく彩る夏の風物詩、花火。
花火の歴史や文化を紐解くと、花火がより美しく感じられますね。
今年は花火の歴史に想いを馳せながら花火を楽しんでみてはいかがでしょうか。
文/hal
配信: ASOPPA!
関連記事: