理想とは真逆の毎日に追い詰められていく
祖母の世話をしながらフルタイムで働く母親を頼るのは難しく、産後はそのままマンションへ。
「部屋が狭いのでベビーベッドの購入を諦めたのに、それでも買いそろえたベビーグッズで部屋の中はゴチャゴチャ。こんなところで親子3人でご飯食べて川の字で寝るのか……と思ったら、せつなくて涙が出ました。生まれたばかりの娘はかわいいけれど、思い描いていた生活とあまりに違いすぎて一気にマタニティブルーがやってきた感じでしたね」
慣れない赤ちゃんの世話に疲れと睡眠不足が加わり、環境が整っていても精神的に参ってしまう人が多い初めての育児。安藤さんの場合は環境に不満だらけということもあり、どんどん追い詰められていったとか。
「娘を連れて部屋を出ると、バッタリ会ったほかの住人が明らかに驚いた顔をするんですよ。『ここで子育てしてるの!?』って感じで。単身者用のマンションですから当然ですよね。造りも頑丈ではなく音が伝わりやすいので、娘が泣くたびにヒヤヒヤ。管理会社に苦情を言われて出て行くハメになったら困る……と。いまは私も育休中だし、今後どうなるかわからないし、引っ越す余裕はありませんから」
ワンルームで引きこもるか、夫の実家でストレスに耐えるか
さらに、ベビーカーが買えないことも大きな悩みのひとつ。
「玄関も廊下も狭く置き場がないので買えないのですが、娘が生後3か月を過ぎた頃から抱っこのしすぎで腰が悪くなってしまって。抱っこ紐で外出するとすごくしんどいんです。近隣の視線が恥ずかしいわ腰は限界だわで、買い物はもっぱらネットで済ませるようになり、すっかり引きこもりになってしまいました」
とはいえ、引きこもり生活にも辛いものがあり……。
「部屋が狭いのでどんなに泣かれても逃げ場がなく、一人になれる空間はトイレとお風呂だけ。最近、本当に何も楽しいと思えなくなってきちゃって。『なんでこんなみじめな生活をしているのか』と思うと涙が出てきて、一晩中しくしく泣くことも。ヤバいですよね」
そんな安藤さんを見かねた旦那さんは、いったん旦那さんの実家で暮らすことを提案してきましたが、それは断ったとか。
「義両親に加え小姑もいる家で暮らすのは、それはそれでノイローゼになりそうで。でも、娘のことを考えたら、本当に頭がおかしくなる前にお世話になったほうがいいのかな……」
いまは、復職して引きこもりから解放される日を心待ちにしているそうです。
―シリーズ 貧困の沼、転落の淵―
<文/持丸千乃>
配信: 女子SPA!
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