「彼女が誘ったとか」セカンドレイプが多い理由とは?学校内性暴力を描いた作者と考える<漫画>

「彼女が誘ったとか」セカンドレイプが多い理由とは?学校内性暴力を描いた作者と考える<漫画>

先生と生徒の恋愛は少女漫画の定番

さいきさんが本作の連載をはじめてから現在に至るまで、法律は変わり、社会も少しずつではあるが変わっていくのを感じている。


さいき「漫画をはじめとする、フィクションの世界も、現実に応じて変わっていく必要があるように思います。何年か前になりますが、少女漫画誌に掲載されている作品の半分近くが、生徒と先生の恋愛ものだったことがあります。

漫画は、心情を細やかに表現できるし、真に迫る描写が可能です。若い読者が信じて、そうした恋愛や関係にあこがれるのも無理はないでしょう。でもそれにつけ込む大人がいることが、フィクションでも現実でも知らされないままでは、まずいのでは……と思うのです」

学校の図書館や保健室に置いてほしいとの声

しかし同時に、漫画には「手に取りやすい」「文章を読むのが苦手な人にもとっつきやすい」という大きなメリットがある。


さいき「連載時から『学校の図書館や保健室に置きたい、置いてほしい』という声をたくさんいただいて、今回の書籍化につながりました。まずはパラパラめくって、気になるところから入っていってほしい。漫画は、知識に触れるための入り口として間口が広いと思います」

子どもと、保護者、学校関係者をはじめとする、すべての人の目に止まりますように。そう祈りたくなる作品である。

<取材・構成/三浦ゆえ>

【三浦ゆえ】
編集者&ライター。出版社勤務を経て、独立。女性の性と生をテーマに取材、執筆を行うほか、『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』(宋美玄著、ブックマン社)シリーズをはじめ、『50歳からの性教育』(村瀬幸浩ら著、河出書房新社)、『リエゾン-こどものこころ診療所- 凸凹のためのおとなのこころがまえ』(三木崇弘著、講談社)、『新生児科医・小児科医ふらいと先生の 子育て「これってほんと?」答えます』(西東社)などの編集協力を担当。著書に『となりのセックス』(主婦の友社)、『セックスペディアー平成女子性欲事典ー』(文藝春秋)がある。

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