決して珍しくない症状であるにもかかわらず、最悪のケースは命に関わる、食中毒。
傷んだ飲食物をうっかり口にしてしまい、激しい腹痛や吐き気といった症状に見舞われるケースが大半です。
『もう1つのよくある原因』として挙げられるのが、誤飲や誤食。食べ物と勘違いをして、危険なものを口に含んでしまう人もいます。
神奈川県が『食中毒にまつわる注意喚起』
2024年6月下旬、神奈川県は有毒植物の誤食による食中毒が発生したことをウェブサイトで告知。
自然が豊かな地域である、神奈川県足柄上郡山北町にて、男性1名が河川敷で採取した植物を食べたところ、口腔や口唇のしびれを発症したといいます。
幸い、男性は無事に退院し、大事にはいたりませんでした。しかし、状況によっては症状が重かった可能性もあるでしょう。
その後の調査の結果、男性が誤食したのは、有毒植物であるテンナンショウ属の果実と判明。男性は、緑色の状態の果実を口にしたことが分かりました。
テンナンショウ属の果実
熟して赤色になったテンナンショウ属の果実
テンナンショウ属の誤食による食中毒は、以前から全国で報告されています。熟すと赤色になり、目立つことから、幼い子供が誤食したケースも少なくありません。
厚生労働省は「『子供の頃に間違って食べて酷い目に遭った』という話はよく耳にするため、実際の中毒事故は相当数あるものと思われる」と述べています。
今回の件を受け、神奈川県はテンナンショウ属について、このように情報を発信しました。
・北海道から沖縄まで全国的に分布し、約30種以上と種類が多く、代表的な種としてマムシグサ、マイヅルテンナンショウなどがある。
・多年草で、地上部は普通葉を1-2枚つけ、地下部には扁球形の地下茎がある。
・果実をつける初夏から秋にかけての誤食による事故が多い。
・摂食後30分以内の短い潜伏期間の後に発症する。口唇、口内のしびれ、腫れなどのほか、腎臓にシュウ酸カルシウムが沈着して腎機能を障害することもある。
・誤食事例の多くは未熟の果実をトウモロコシと間違えて食べたことにより発生している、そのほかにもタラノキの芽と間違えた事例もある。
神奈川県ホームページ ーより引用
神奈川県の呼びかけはSNSでも話題になり、ネットからは「そんなに危険とは初めて知った」や「よく見るやつだ!子供にも注意をしておこう」といった声が上がっています。
ほかの食べ物と勘違いし、有毒植物を口にしてしまうケースは後を絶ちません。覚えておきたいのは、『確実に食用と判断できないものは食べない』という点です。
野草だけではなく、他人からもらったものも同様。安全性に少しでも不安がある場合は、食べるのをやめたほうがよさそうです。
もしうっかり口にしてしまった場合は、速やかに医療機関を受診するようにしてくださいね。
[文・構成/grape編集部]
出典 神奈川県ホームページ
配信: grape [グレイプ]
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