自己肯定感ってそもそも何…?
最近、自己肯定感という言葉をよく目にすることが多いと思います。「自己肯定感低めのあなたへ」といったような本やSNSの投稿、雑談のなかでの「自分は自己肯定感低くて」といった言葉があります。自己肯定感は、高い/低いで表現され、自己肯定感は高い方がいいといわれています。そもそも、自己肯定感って一体なんでしょうか。
文部科学省の定義では『自己肯定感については、これまでも様々な捉え方が示されてきましたが、その一つとして、勉強やスポーツ等を通じて他者と競い合うなど、自らの力の向上に向けて努力することで得られる達成感や他者からの評価等を通じて育まれる自己肯定感と、自らのアイデンティティに目を向け、自分の長所のみならず短所を含めた自分らしさや個性を冷静に受け止めることで身に付けられる自己肯定感の二つの側面から捉えることが考えられます』とあります。
つまり、何かができているから、または、何かがあるからと条件つきで自分を肯定できる“自尊心”のようなものが一つの捉え方。一方、条件つきじゃなく“自分のありのままを認める”という捉え方があります。ここでは、後者の自己肯定の捉え方で、自己肯定感を高める手法「セルフ・コンパッション」をご紹介します。
自分自身に優しく接する
自分のありのままを認める「セルフ・コンパッション」とは
現代人は仕事やプライベートのストレス、将来への不安など、日常的に多くのストレスや困難にさらされています。ネガティブな心理状態をコントロールする方法として「セルフ・コンパッション」があります。企業でもメンタルヘルス対策としてこの「セルフ・コンパッション」を取り入れているところもあるほどです。
「セルフ・コンパッション(self-compassion)」とは、「自分自身が感じている痛みを認め、優しさをもってそれに接すること」を指します。しかし、自分に優しくすると、自分を甘やかしたり正当化したりしてしまうことになるのではないか、という不安を感じられるかもしれません(そんな気持ちを「コンパッションへの恐怖」と言います)。
まず、「セルフ・コンパッション」を構成する重要な3つの要素とその効果を見ていきましょう。
一つ目は、「マインドフルネス(mindfulness)」です。自分の中にある苦しみといった感情でも、等身大の自身の感覚として、ありのままで受け入れることです。自分の気分に対して恐れたり回避せずに受け止めてあげられるようになります。
二つ目は、「自分へのやさしさ(self-kindness)」です。自分自身を親友と同じように優しく接し、ネガティブな考えや自己否定をなるべくしないように心がけましょう。そうすれば、おのずと前向きな気持ちになり、自分の人生の目標へのモチベーションにつながります。
三つ目は、「共通の人間性(common humanity)」です。人は困難に直面した際に、「自分だけしんどい」と一人で抱えこんでしまいます。人間誰でも困難があることを認識し、自己と他者に共通の人間性を見出していくことも大切です。同じような状況の他者を理解・共感することにつながるでしょう。
配信: LASISA