新型コロナウイルス感染症への対策:訪問診療の重要性
2023年5月8日、新型コロナウイルスが5類感染症に移行しましたが、医療機関が行う対策は以前と変わらず厳しいものとなっています。
訪問診療は特に患者様のご自宅や老人ホームのような施設に赴くため、より念入りな感染防御策を行うことが重要です。
訪問診療だけではなくコロナ対策の基本として、標準予防策を徹底することが重要となります。
標準予防策とは、感染症に罹患しているかどうかに関わらず、患者様の汗以外の分泌物、血液、体液、排泄物、粘膜等の湿性生体物質などに直接触れないようにすることです。
触れないようにするための具体的な対策として、手袋とマスクを装着すること、1人の患者様の診察やケアが終わったら手袋とマスクを新しいものに変えること、呼吸器衛生や咳エチケットを徹底することが含まれています。診察前後には手指のアルコール消毒を行い、使用後の医療器具もアルコール消毒で除菌します。
高齢者を対象とした訪問診療における感染対策
訪問診療では高齢者の診察を行うことが多いため、特に標準予防策を徹底します。
患者様がウイルスを保有している可能性を考え、シミュレーションを行いながら対策を考えます。飛沫感染のリスクを下げるために、患者様に対してもマスクの装着をお願いし、発熱や風邪の症状がある場合は訪問前にご連絡いただくようにします。
濃厚接触者など、コロナウイルス感染の可能性が高い場合は、標準予防策に加え、ガウンなどの感染予防着を着用して徹底した感染対策を行いながら診察を行います。また、医療スタッフの体調管理もコロナ対策のひとつです。日常生活の中でもコロナ対策をスタッフに徹底指導し、体調不良のスタッフは出勤しないように努めて、患者様の安全を確保します。
訪問診療では患者様の生活空間で診療を行うため、医療スタッフはその環境に合わせた対策を行う柔軟な判断も必要になってきます。
医療スタッフは標準予防策を実践しつつ、患者様の生活空間での診療をしっかりシミュレーションし、本来の治療を安全に行っていけるように努めることが重要なのです。
配信: 医科歯科健診コラム