カスハラとモラハラって似ている?父にいじられ泣いていた母の姿とカスハラが重なる【作者に聞く】

カスハラとモラハラって似ている?父にいじられ泣いていた母の姿とカスハラが重なる【作者に聞く】

販売の仕事で体験した出来事や日常で感じたことなどを漫画に描き、X(旧Twitter)やInstagramで発信しているタジマオオカ(@pu92yu)さん。店舗で働いているとさまざまなお客様や場面に遭遇するという。なかでも、顧客の優位な立場から従業員に対して言い掛かりや理不尽なクレーム、侮辱などをする迷惑行為「カスタマーハラスメント」(以降、カスハラ)について描いた漫画「かすはら物語」や「お客様に助けられた話」が大きな反響を呼んでいる。思わず「怖い」と身震いする場面も少なくなく、多くの共感の声が寄せられている。

ウォーカープラスでは「かすはら物語」をリメイクし、「お客様は神様ですか?」と題して連載中。タジマさんが実際に体験したカスハラや、販売員に対するお客様からの無理なクレームや言動に悩み、対応を考え続けた日々についてお届け。

今回は、現場の販売員と会社の上司のカスハラに対する意識の温度差や個人の無力さなどを、タジマさんの経験を踏まえた話を聞きながら紹介する。

■モラハラで泣いていた母を助けられなかった過去
――駅構内の特設店で酔っ払いに絡まれ警察に通報した後日、上司のケロッとした態度にタジマさんは驚かれていますね。上司のそのような態度を目の当たりにしたとき、どのようなお気持ちでしたか?

「通報までしたのだから何かアクションがあるのではと期待していました。がっかりと言うか…通報までしてもこんな対応なんだな…と思いました」

――さらに後日、元同僚の方と通報時の様子やカスハラについて話されているときに、「カスハラ対策」は個人ではほとんど何もできず、会社単位で動く必要があるとおっしゃっていますが、タジマさんがお勤めの会社は、もともとカスハラ対策は皆無だったのでしょうか?

「皆無です。カスハラがあっても報告をするシステムが無いので会社側は把握すらしてないですし、現場の同僚たちも絡まれたら『運が悪かったね』で終わらせるのが慣例でした」

――また、その元同僚の方に「タジマはなんでそんなに(カスハラに対して)一生懸命なの?」と聞かれた際に、タジマさんのご両親のお話をされますね。お父さまがお母さまを“いじる”モラハラ気質の方だったとのことですが、お父さまがお母さまをいじる様子をタジマさんはどのような気持ちで見ていましたか?

「父は外に出れば人気者で、周囲で父を悪く言う人はいませんでした。モラハラが発動するのは母にだけで、父が外で見せる温和な顔と家で母を陰湿にいじる様子には大きなギャップがありました。私はそんな父の事を理解出来ない人だと捉えていました」

モラハラを受けていたタジマさんのお母さまはよく外で泣いていたとのことで、その姿がカスハラを受けている人と重なって「カスハラとモラハラは似ている」という考えに至ったという。タジマさんは「母が泣いているとき、一緒に父の悪口を言うとか、何か言って母を笑わせるとか、慰めるとか…どれも違う気がして、ただ側にいることしかできませんでした。今、販売員として働くなかで『お客様が店員に対してモラハラをする』、それがカスハラなのではないかなと思っています」と話してくれた。

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