無認可保育園と認可保育園の違い。選ぶポイントもチェックして

第19回 みんなが共感!ママのお悩み
仕事に復帰したくてもなかなか保育園が決まらず、焦っているママも多いのではないでしょうか。無認可保育園なら、どのような状況でも子どもを預けられる可能性があります。無認可保育園の基礎知識や選び方のポイントを紹介します。

無認可保育園とは?

無認可保育園とはどのような保育園なのでしょうか。認可保育園との違いや助成金について解説します。

認可保育園との違い

国内にあるすべての保育園は、『認可保育園』と『無認可保育園』に分けられています。それぞれ、『認可保育施設』と『認可外保育施設』が正式な名称です。

認可保育園は、国が定めた設置基準をすべて満たし、都道府県知事に認可された施設のことをいいます。設置基準は、施設の広さや職員数、衛生・防災管理状況などです。

無認可保育園は、なんらかの設置基準を満たさず認可されていない施設をいいます。国や自治体から補助金を受けられませんが、園ごとの特色を出しやすいことがメリットです。

認可保育園の保育料は、所得や子どもの年齢などにより決められます。一方、無認可保育園は、園が独自に保育料を設定できます。

無認可保育園でも助成金は出る?

認可保育園は、多くの自治体で2人目が半額、3人目が無料になるなどの制度が設けられています。所得が低い場合は保育料が下がることもメリットです。

一方、無認可保育園はこれらのような取り組みが園の方針に左右されます。所得関係なく一律の料金設定としている園も多いため、所得が低い世帯や兄弟がいる世帯は、どうしても負担が大きくなりやすいでしょう。

しかし、無認可保育園を利用した場合でも、自治体によっては保育料の一部を助成する制度を設けているケースがあります。

勤務先の福利厚生サービスで保育料の一部を補助してもらえる可能性もあるため、住んでいる地域や勤務先で利用できる制度はないかチェックしてみることも大切です。

無認可保育園を選ぶポイント

子どもを預ける前に確認しておきたい主な点を紹介します。見学や電話で直接聞いたり、ホームページなどで調べたりしてみましょう。

環境を確認

保育園を選ぶにあたり、設備や園庭など園の環境をチェックすることは重要です。認定基準を満たしていない無認可保育園は、納得できるレベルの質を備えているか確認しましょう。

例えば、園庭がない保育園では、子どもが外で遊ぶ機会が少ないと思われがちです。しかし、近くの公園へ散歩に出かける日課があれば、一般的な園庭より広い場所で元気に遊べるとも考えられます。

保育室が狭い場合も、保育士の目が子どもたちに届きやすいという安全面での利点があるでしょう。保育室が広ければメリットも多くなるとは限りません。

自分の目で確認すること以外に、園と直接話をするなどして、デメリットと思われる点をどのように工夫しているのか確認してみることも重要です。

保育方針を確認

保育園の質を決める要素は、設備などの環境だけではありません。園長をはじめ、園で保育に携わる人たちが、どのような方針で活動しているのかということも重要です。

保育方針は、園のホームページを見たり、園長や保育士と話をしたりすれば、細かく確認できます。保育士の数や、有資格者・ベテラン保育士の数などもチェックするとよいでしょう。

無認可であるというマイナスイメージを払拭するために、特色のある独自の保育方針を打ち出している園もあります。

熱の込められた保育方針を掲げている園であれば、より安心して子どもを預けられます。見学する機会があれば、いろいろな話をしてみることが大事です。

子どもたちの様子を確認

実際に園へ預けられている子どもたちがどんな様子で過ごしているのかを確認すれば、質の高い保育を行っているかどうかが分かります。

子どもたちがみんな笑顔で元気よく過ごしているようなら、預ける側としても安心です。保育士と子どもたちの関係が良好だという証拠でもあります。

また、食事中でもないのに口の周りが汚れていないか、おむつを重たそうにしていないか、鼻水をしっかり拭き取ってもらえているかなど、衛生面のチェックも重要です。

保育士が少なく手が回らないのであれば、行き届いた保育ができていないということになります。まだ抵抗力が弱い子どもたちが集まる場所として、衛生管理が徹底していることは必須の条件です。

無認可保育園のデメリット

保育料が高いことや、保護者同士の繋がりができにくいことが、主なデメリットとして挙げられます。それぞれについて詳しく解説します。

保育料が高い

保育園側が認可を取ることのメリットは、行政から安定した補助金を受け取れることです。補助金をもらえれば運営にかかる金銭的負担が軽減されるため、保育料も安めに設定できます。

一方、補助を受けられない無認可保育園は、保育料のみが収入源であるため、どうしても保育料を高めに設定せざるを得ません。

しかし、自治体によっては、保育料を安く設定している園もあります。保育料の上限が決められていたり、所得に応じた保育料が割り出されていたりと、制度の種類は様々です。

無認可保育園は一様に保育料が高いと決め付けず、住んでいる地域の状況を調べてみるのもひとつの方法といえます。

保護者同士の繋がりが少なめ?

無認可保育園は、園行事や保護者会が少ない傾向があります。どうしても子どもを預けなければならない状況におかれた保護者が多いため、出席率が悪くなりやすいことが理由として考えられるでしょう。

保護者が顔を合わせる機会が少なければ、保護者同士の繋がりも希薄になります。子どもの親として、より多くの交流を求める場にはなりにくいのが現状です。

しかし、考え方を変えれば、保護者の負担を軽減できる可能性が高いともいえます。できるだけ仕事を休みたくない親にとっては、ありがたい傾向です。

無認可保育園のメリット

無認可保育園では、認可保育園では得られないようなメリットがいくつかあります。主なメリットを確認しておきましょう。

選考基準が厳しくない園も

認可保育園は、園に直接申し込むのではなく、住んでいる自治体の窓口に申し込みます。定員を上回れば審査が行われ、選考から外れた場合は入園できません。

一方、無認可保育園は、園に直接申し込みます。選考方法は園により様々ですが、多くの場合は定員に空きがあれば入園できるでしょう。

ほとんどの園で保育理由を問われないこともメリットです。就労証明書などがなくても入園できることが多いため、求職中であっても預けられる可能性があります。

選考基準を教えてもらえるようであれば、事前にチェックしておくことも有効です。

預けられる時間や日数が柔軟

無認可保育園は、保育時間に関して明確な定めがあるわけではないため、施設ごとに独自の曜日や時間帯を設定しています。

保護者の都合に合わせて柔軟に対応してくれる園も多く、希望の曜日を選べたり、早朝や夜間、土日祝日に預けられたりすることがメリットです。

病院やサービス業などでシフトを組んで働いている人にとっては、ありがたいシステムでしょう。認可保育園の場合、ここまで柔軟な対応は難しいケースがほとんどです。

独自の教育を受けられる場合も

多くの園では、独自の保育目的を掲げています。他では見られないような特色を打ち出している園もあるため、見学などで確かめてみるとよいでしょう。

例えば、英語や知育に力を入れていたり、食育を重視していたりと、シンプルな保育以外の面で独自色を出している園があります。

子どものためになりそうな特色であれば、家庭できないような経験をさせてあげられる可能性もあります。住んでいる地域に独自の教育が受けられそうな保育園があるか、探してみるのもおすすめです。

まとめ

無認可保育園とは、国が定めた設置基準を満たしておらず、認可を受けていない保育園です。保育料は高めですが、選考基準が比較的緩いことや、預けられる日数や時間が柔軟であることなどのメリットもあります。

保育園を選ぶ際は、環境・保育方針・子どもたちの様子などを確認し、子どもにとって過ごしやすい施設を選ぶようにしましょう。