賞味期限切れの缶詰はいつまで食べられる? 目安と注意点を解説


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日持ちのする缶詰を災害用の備蓄食料としているご家庭も多いのではないでしょうか。防災リュックに入れたまま、うっかり賞味期限が切れてしまったことはありませんか?

今回は、賞味期限が切れた缶詰はいつごろまで食べられるのかという目安と、こんなときは食べないほうがいいという注意点などを紹介します。

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賞味期限切れの缶詰はいつまで食べられる?

食品の期限表示には、消費期限と賞味期限の2種類があります。

消費期限は「腐敗そのほかの品質の劣化に伴い、安全性をかくこととなるおそれがない」と認められる期限です。品質が損なわれやすい弁当や総菜などに設定されており、消費期限を過ぎた食品は、食べないほうがよいとされています。

一方の賞味期限は、未開封であれば品質がすぐには損なわれにくいと考えられるスナック菓子や、カップラーメン、缶詰などに「おいしく食べることができる期限」として設定されるものです。未開封の状態で適切に保管されていたのであれば、賞味期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません。

とはいえ、メーカーは安全のためにできるだけ賞味期限内に食べることを推奨しています。わたしたち消費者も実際に賞味期限を過ぎた食品を手にすると、いつまで食べてよいのか判断に迷うものです。

・1か月以内であれば気にしなくてよい

賞味期限の表示は、「年月日」を記載するのが基本ですが、製造日から賞味期限までが3か月以上ある食品については、「年月」のみの表示も認められています。缶詰もこれに当てはまりますが、実際には年月日まで記載しているメーカーが多いようです。このことから、賞味期限を過ぎて数日~1か月以内であれば気にする必要はないと言えるでしょう。

では賞味期限を過ぎて半年、1年と経過した缶詰については、どう判断すべきでしょうか。

ひとつの参考となるのが賞味期限を決めるときに用いられている「安全係数」です。

・安全係数とは?

厚生労働省と農林水産省が共同で作成した「食品期限表示の設定のためのガイドライン」では、消費期限や賞味期限は製造業者が微生物試験や理化学試験、人間の視覚・味覚・嗅覚を用いた官能検査等を行い、客観的な指標に基づいて設定すべきとしています。

さらに、実際の製品ひとつひとつの品質を検査できるわけではないことを考慮して、安全のために上記の方法で算出された期限に対し、1未満の計数(安全係数)をかけて、より短い消費期限や賞味期限を設定することを基本としています。実際にかける安全係数の数値は、食品の特性によっても異なりますが、0.7~0.9程度です。

缶詰の賞味期限は、製品にもよりますが製造日から3年程度に設定されているものが多いです。製造から1095日後(365日×3年)という賞味期限が仮に0.8の安全係数をかけて設定されたものである場合、本来の「おいしく食べることができる期限」まではさらに273日あるという計算になります。なお、0.7をかけて設定された場合には、469日ある計算になります。

 半年経過

賞味期限が3年ほどある缶詰であれば、未開封で賞味期限を半年過ぎたものは、安全係数を考慮するとまだおいしく食べることができる範囲内です。安全性に関しては保存方法なども影響するため自己責任となりますが、直射日光や高温多湿をさけて適切に保管しており、缶を開けてみて風味等に異変がなければ、食べても問題ないでしょう。

1年経過

賞味期限が3年ほどに設定されている缶詰で、賞味期限が1年過ぎてしまった場合には、安全係数をかける前の「おいしく食べることができる期限」をすでにオーバーしているか、期限に近づいていると言えるタイミングです。保存方法などによってはゆるやかに品質が変化し始めているかもしれません。自己責任で食べる場合には、缶の見た目に異常がないか、風味に異変がないかなどに十分注意しましょう。

 2~3年経過

賞味期限を2~3年経過した缶詰は、安全係数をかける前の「おいしく食べることができる期間」を大きくオーバーしています。できるならもっと早く食べるようにしたほうがよいでしょう。

とはいえ、缶詰は長期保存に耐えるように作られており、賞味期限を過ぎた後の品質の劣化もきわめてゆっくりと進みます。保存状況が良い場合には、まだ食べられる可能性もないとは言えません。ただ、缶の腐食や膨張などが見られる場合には、中身も変質している恐れがあるので、食べずに処分しましょう。

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