朝ドラ31歳俳優が“港区女子とギャラ飲み三昧”の美容外科医に…胡散臭くてもやけにイケてるワケ

朝ドラ31歳俳優が“港区女子とギャラ飲み三昧”の美容外科医に…胡散臭くてもやけにイケてるワケ

『虎に翼』後一発目の作品


 そう、『新宿野戦病院』は、仲野にとっては大健闘した『虎に翼』後一発目の出演作品なのだ。同作の主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)の父・猪爪直言(岡部たかし)、夫・佐田優三(仲野太賀)を演じたふたりが、早くも再共演した作品でもある。

 もっと言うと、寅子が法律を学んだ明律大学の学友・竹原梅子を演じている平岩紙が、『ブルーモーメント』から2クール連続で出演してもいる。『虎に翼』メンバーがうまい具合に揃うというのは、目配せを超えてるんじゃないか?

 ともあれ、期待値はさらに高まる。するとちゃんと仲野が視聴者を第1話冒頭から魅了してくれる。享と彼の父・高峰啓三(生瀬勝久)が、院内で朝食をとる場面。濃紺シャツをパリッと着こなす仲野が何だかやけにカッコいい……。

過去最高にイケてる瞬間

『虎に翼』の優三役が周囲を和ませるためにおどけ倒していたように、仲野は基本的に三枚目が似合う俳優だと思う。もちろん本人は二枚目だが、そこはあえて三枚目に寄せながら、ときにちょっとだけ二枚目にもなったり。

 微調整を繰り返す揺れ動き方が仲野の演技の特徴なのだが、『新宿野戦病院』の朝食場面での彼は、胡散臭い美容皮膚科医というコミカルな役柄自体は完全に三枚目、でもはっきり二枚目感を打ち出してもいる。

 前夜に担ぎ込まれてきた謎の元軍医・ヨウコ・ニシ・フリーマン(小池栄子)が目を覚ましたと聞いて「あの野郎」と動き出した瞬間、二枚目モードがバチッと入ったような気がした。それは、仲野太賀が過去最高にイケてる瞬間だと思う。

関連記事: