石川県で100年以上続く鍛冶屋・ふくべ鍛冶は、伝統産業品の修理プラットフォーム「リペアクラウド」を立ち上げ、能登の事業者を支援するプロジェクトをスタートさせ、Makuakeにてクラウドファンディングを実施中だ。
被災した経営者の不安と前向きな想い
ふくべ鍛冶は、石川県能登半島で明治41年から100年以上にわたり、包丁、鍬などの製造・修理・販売を行っている鍛冶屋。地元能登の営みと暮らしを支える道具づくり、修理して再利用してもらう「野鍛冶」の文化を原点としている。
2024年1月1日、能登は、千年に1度と言われる地殻変動を伴った突然の大地震で被災し、店舗や工場、倉庫などに亀裂や段差、物の散乱、機械設備が倒れるなど被害を受けた。
同社の干場健太朗代表は震災後いろいろな経営者と話をしたが、明るい話題はなかなか見つからず、「再建の矢先にまた地震が起こってしまった」「家族や従業員も守りたい」「職人が辞めてしまい技術が途絶えてしまう」など、依然として不安な声が多い。「自分だけ経済活動をするのは…」や「クラウドファンディングで応援を募っても…」との思いが枷となり、踏み出したいのに踏み出せないジレンマに繋がっている声も届いたという。
そんな中でも、震災を機に「今まで通り元に戻すのではなく、時代に合った取り組みをしていきたい」「物流や人材確保のため、会社の二拠点化を進めたい」と前向きな声も聞こえてきた。
利用者とつながる宅配包丁研ぎサービス
そこで同社では、能登震災をきっかけに、能登経済と伝統産業の復興につながるために今できることは何か、被災地の中からできることを考え続けた。そして、経済を止めてはならないとの思いから、修理を通じて利用者一人ひとりとつながる宅配包丁研ぎサービス(ポチスパ)のプロジェクトを、1月〜3月にMakuakeにて実施。全国に向けて応援を募り、事業再建を目指す姿勢を示すことが、被災地である能登エリアが1日も早く立ち直るきっかけになるのではとの考えから行った。
配信: STRAIGHT PRESS