カズレーザーの相方は介護現場歴20年!奥が深くて明るい介護の仕事とは<漫画>

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泣ける!深夜の折り鶴

「夜9時に出発して翌朝7時頃帰宅。ひと晩で15~20軒訪問する」というルーティンを、3~4年続けたという安藤さん。ご家族が寝静まっている間に「トイレ誘導、水分補給、体位の変換、オムツ交換、安否確認、陰部洗浄」を利用者さんに合わせて行うわけです。

とりわけ「難易度が高い!」のが「寝たままオムツ交換」。私も介護施設でのオムツ交換は経験したのですが、利用者さんが起きている時でも重労働でした。

人間の体はデリケートですし、「ほんのちょっとのミスが命取りになってしまう」のが介護の現場。だからこそ利用者さんやご家族の感謝が、なによりのやりがいにつながるのでしょう。

ある日の夜、安藤さんは次の訪問先までの隙間時間に、車内で鶴を折っていました。その鶴を、認知症の利用者さんの枕元に置いておいたのです。翌週の夜、その利用者さんの枕元には、チラシで折られた大きな鶴があったとそうです。ご家族からの手紙によると「認知症の利用者さんが自ら鶴を折った」というではないですか。

「認知症の父が鶴を折れるなんて思ってもみませんでした。本当にありがとうございます!」。この時の「ありがとう」ほど重みのある言葉はなかったと、安藤さんはしみじみと感じ入ったのです。

介護業界の“広報”になれたら

芸人としての知名度も上がる中で、介護に関する仕事ももらえるようになったとのこと。芸人と介護職、二足の草鞋(わらじ)を履く安藤さんは「介護業界の“広報”みたいな役割ができたら」と考えます。

やがて「介護福祉士実務者研修」を受けられる会社と仕事をする機会に恵まれ、資格取得を目指すのです。

芸人と介護。一見、何の脈絡のないつながりかもしれません。でも、どんな状況からも人間的な懐の深さや、「できない」ではなく「できた」に光をあてる視点のあたたかさは、芸人だからこその感性ありきに思うのです。

安藤さんの笑顔は、お笑いと介護の両方の世界で、輝き続けるのではないでしょうか。

<文/森美樹>

【森美樹】
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx

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