『silent』チーム再集結、クドカン新作などオリジナルが揃う夏のフジ
フジテレビは今期、GP帯はすべてオリジナル作品なのが特徴。「頭は切れるのに人間関係に難アリな警察署勤務の女ギークたちが、週末の井戸端会議で事件解決をスーパーアシストしてしまう」という松岡茉優主演の『ギークス~警察署の変人たち~』(7月4日スタート)こそ12位だが、杉野遥亮主演の『マウンテンドクター』(7月8日スタート)は7位、『ビリオン×スクール』(7月6日スタート、フジテレビ系)は6位、『新宿野戦病院』(7月3日スタート、フジテレビ系)は3位、月9『海のはじまり』(7月1日スタート、フジテレビ系)は2位と、期待度の高い作品が揃っている。
『マウンテンドクター』は、事なかれ主義の整形外科医・歩(杉野遥亮)が山岳診療科との兼務を命じられ、日本における山岳医療の厳しい現実や、先輩の江森(大森南朋)とぶつかりながら成長していく「心温まるエンターテインメント山岳医療ドラマ」。長野県松本市を舞台にしており、公式サイトで謳われるような「大自然が舞台だからこそ生まれるリアリティーとスケール感」のある映像を期待したい。
『ビリスク』は億万長者(ビリオネア)の加賀美(山田涼介)が身分を隠し、とある目的のために高校の教師となるというオリジナルの学園コメディ。「やる気ゼロ、才能ゼロ、将来性ゼロ」の生徒たちを破天荒な教師が導くという平成的な設定がどうなるかだが、『おっさんずラブ』シリーズ(テレビ朝日系)や『探偵が早すぎる』シリーズ(日本テレビ系)などコメディが得意な瑠東東一郎監督の演出ということで、うまくハマりそうか。学園モノのお決まりとして、松田元太(Travis Japan)ら生徒役の魅力も作品の牽引力になることが期待されるところ。
『新宿野戦病院』は、テレ朝の『科捜研』や『南くん』と真逆のパターンで、お気に入り登録者数は8位(17.8万人)といまひとつだが、クリップ数は2位(2003Clip!)と大きな注目を集めた。宮藤官九郎のオリジナル脚本に小池栄子+仲野太賀のW主演というだけでドラマファンはやはり胸が躍るところ。とくにクドカンは『不適切にもほどがある!』(TBS系)の大好評からまだ間もないことも大きいだろう。脇を固めるキャストもよく、今期もっとも期待している作品に挙げる人も少なくないのではないだろうか。
目黒蓮主演の『海のはじまり』は、2022年に大反響を呼んだ木曜劇場『silent』の脚本(生方美久)、演出(風間太樹、髙野舞)、俳優(目黒)、プロデューサー(村瀬健)らが再集結したということで話題。昨年の『いちばんすきな花』で欠けていた風間監督の再合流は期待を高めるところで、お気に入り登録者数は3位(31.2万)、クリップ数は堂々の1位(2180Clip!)だった。
お気に入り登録者数の1位と2位はシリーズものとリメイクものであり、ゼロからお気に入り登録者数を積み上げたオリジナル作品としては『海のはじまり』が1位になることも付け加えておきたい。学生時代の元恋人(古川琴音)が自分の知らぬところで子どもを産んでいた……というデリケートな設定が気になるが、「期待」に応える内容になっているかどうか。注目度という意味では今期もっとも高いかもしれない。
夏ドラマ「期待度」1位は日曜劇場
TBSも負けてはいない。いち早く始まった『笑うマトリョーシカ』は期待度8位だが、『西園寺さんは家事をしない』(7月9日スタート)は期待度5位。そして日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』(7月7日スタート)は期待度1位となっている。
『笑うマトリョーシカ』は、前期に高橋海人主演で映像化された『95』(テレビ東京系)などメディアミックスも多い早見和真の同名小説の実写化。新聞記者の道上(水川あさみ)が人気政治家・清家(櫻井翔)とその政務秘書官・鈴木(玉山鉄二)の正体に迫ろうとするミステリーで、金曜ドラマでは珍しいシリアスな政治サスペンスだ。
『西園寺さんは家事をしない』(7月9日スタート、TBS系)は、仕事はバリバリやるが 家事は一切しない38歳の西園寺さん(松本若菜)が、4歳の娘をシングルファーザーとして育てる年下エンジニア・楠見(松村北斗)とひょんなことから「偽家族」として一緒に暮らすことになるというラブコメディ。お気に入り登録者数5位(19.6万)、クリップ数4位(996Clip!)とどちらも高水準だが、キャスト人気はもちろんのこと、TBS火曜ドラマらしい王道ラブコメになるとみられるのに加え、原作マンガが、綾瀬はるか主演の実写版も大ヒットした『ホタルノヒカリ』のひうらさとる作品であることも期待を高めているのではないだろうか。
配信: 女子SPA!