6月29日に『街並み照らすヤツら』(日本テレビ系)が最終回を迎え、春ドラマのシーズンが幕を閉じる。28日には『笑うマトリョーシカ』(TBS系)が早くもスタートし、夏ドラマへと移り変わり始めるが、ここで4月期のゴールデン・プライム帯民放連続ドラマをTVerお気に入り登録者数の「増加数」から振り返ってみよう。
TVerの「お気に入り登録者数」で人気度がわかる?
TVerは、2024年3月には月間動画再生数が4.5億回を突破するなど、無料見逃し配信サービスとしてすっかり定着。その勢いを牽引しているのがほかならぬドラマであることは、2024年1月~3月期のTVer総合番組再生数ランキングのトップ5がすべてドラマであったこと、加えてトップ20の8割以上(17作品)がドラマで占められていたことからも明らかだ。
近年はドラマ公式SNSが「見逃し配信再生数●●万回突破!」「TVer総合1位獲得!」とアピールしている様子もよく目にするように。いまや視聴率と並んで重要な指標となるのがTVerなのだ。
そしてそのTVerには「お気に入り登録」という機能がある。「お気に入り」はかつては「マイリスト」という名称で、共に登録者数が公開表示されていることもあり、番組人気を測る指標のひとつとして見られている。2022年に「マイリスト」から「お気に入り」にリニューアルされた際には、それまでの登録者数が一度リセットされたため、とある番組の公式SNSが慌ててお気に入り登録を呼びかける一幕もあった。テレビマンがお気に入り登録者数を重要だと考えていることがうかがえるエピソードだ。
TVerのお気に入り登録者数が多いからといって、必ずしも再生回数がそれに比例するわけではない。だが、放送中にどれだけお気に入り登録者数が伸びたかは、その作品に対する世間的な注目度や期待度がある程度は反映されているのではないだろうか。
そこで、ドラマ放送前の4月3日時点のお気に入り登録者数と、その作品においてもっとも多かったときの数字(最終回を迎えると登録解除が増えるため)とを比較し、どれだけ増加したかをランキング化してみた(全ランキングは記事最後に掲載)。
『Destiny』『アンチヒーロー』…考察要素のある作品がTVerで強い?
春ドラマでお気に入り登録者数がもっとも伸びたのは、石原さとみ主演の『Destiny』(テレビ朝日系)。春ドラマでは唯一100万の大台を超え、最終回放送前の6月1日の時点で121.2万人に到達した。放送開始前の4月3日時点でも22.8万人とゴールデン・プライム帯ドラマでは最多となっていたが、そこから+98.4万と増加数も1位に。韓国ドラマテイストだった『Destiny』は、真樹(亀梨和也)とカオリ(田中みな実)の間に何があったのか、奏(石原さとみ)の父親はなぜ死ななければならなかったのか、といったミステリー要素で視聴者を引き付けるのに成功したのだろう。
増加数2位は、長谷川博己主演のTBS系日曜劇場『アンチヒーロー』(+81.3万)で、『Destiny』と併せて考えると、考察要素の多い作品がTVer受けしやすいとも言える。4位の木村拓哉主演・テレビ朝日系木曜ドラマ『Believe-君にかける橋-』(+77.4万)もそのひとつだろうし、3位の川口春奈主演・TBS系金曜ドラマ『9ボーダー』(+79.6万)は“ヒューマンラブストーリー”ではあったものの、コウタロウ( 松下洸平)の記憶喪失の謎がどう解き明かされるのかヤキモキしていた視聴者も多かったはずだ。
配信: 女子SPA!