やる気のない新人に仕事を奪われる!?努力が報われない社畜OLの心の葛藤を描く【作者インタビュー】

やる気のない新人に仕事を奪われる!?努力が報われない社畜OLの心の葛藤を描く【作者インタビュー】

デザインの勉強をしていない新人のデザイン案もコンペに出そうという上司。選ばれるわけがないと思っていたのに。バリキャリ女子が仕事でうまくいかないもやもやを描く――福々ちえ(@fukufuku_comic)さんの『モヤモヤ社畜OLと、勇気のマサラカリー』の続編「仕事のできる女と、怒りのバターチキン」をお届けしよう。

■「どうしてあの子ばかり?」努力しても実らない、心の葛藤を描く

デザインの勉強をしない新人の女の子に、最初は「デザインの勉強をすれば?」とアドバイスをするが、彼女はいつも定時で帰ってしまう。そんな彼女のデザイン案は、バランスが悪く、そろわなければいけないところもガタガタでひどいものだが、上司は彼女の案もコンペに提出しようという。努力している主人公にとって、新人のデザイン案は受け入れがたかった。それでもコンペの結果、新人の案が選ばれてしまい、上司が新人をかばうことにも不満が残る。

本作は、とあるカレー屋を通してつながるストーリー。カレー屋で揉めごとに遭遇したお客を別視点で描く。作品が生まれたきっかけは、「昼間の駅で揉めてるサラリーマンを見た」ことだと作者の福々さんは語ってくれた。

■「自分の正しさを揺さぶられる瞬間」

喧嘩しているサラリーマンを見て「何事!?」と思ったと同時に、「私これ見なかったことにして通り過ぎていいのかな」と自問自答したという。このとき感じた「自分の正しさを揺さぶられる瞬間」。それをテーマに作った漫画が「もやもや社畜OLが、スパイスカレー食べて元気になる話」だと福々さんは語る。

そして続編「仕事のできる女と、怒りのバターチキン」は、たまたま同じ店にいた女性を視点を変えて漫画にしたもの。視点を変えて漫画にした理由は、「現実世界を優しく受け止めてもらいたいから」とのこと。「人間にはひとりひとりドラマがある。たまたま同じ場所にいただけの人たちにも、それぞれ葛藤やドラマがあると想像できれば、世界がやさしくなるかもしれません」との思いが込められている。

福々さんは現在、漫画家&イラストレーターとして活動中で、夫婦エッセイや過保護ママをテーマにしたセミドキュメントなども手がけている。「私の漫画は、人間讃歌がテーマです。悪者はいません。悲しい人や弱い人がいるだけです。この経験を読者さんにも疑似体験してもらえるような、そんな漫画を描いていきたいです」と話す作者。今後の活躍が楽しみだ。

■取材協力:福々ちえ(@fukufuku_comic)

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