ミレイ『オフィーリア』の見どころ
ミレイ『オフィーリア』, Public domain, via Wikimedia Commons
ミレイ『オフィーリア』の見どころは、繊細で優雅な筆致です。ミレイは「ラファエル前派」と呼ばれる美術同盟に属しており、イタリアルネッサンスの巨匠ラファエロ以前の時代の芸術に立ち返ろうとする作風に特徴があります。
19世紀中ごろ当時の芸術アカデミーは、古典やルネッサンスを重視し、とくに規範的なラファエロの芸術を中心に芸術家を指導していました。ミレイを含む数人の若手芸術家はこの潮流に疑問を呈し、中世や初期ルネッサンスの繊細できめ細やかな作品を制作するようになります。
ラファエル前派が絵画技術で重視したのは自然の徹底的な観察と描写であり、これはラファエロ以前の後期ゴシック/初期ルネッサンスの芸術家に多い傾向の1つでした。『オフィーリア』のなかでも、水面に浮かんでながれゆく花びら、周辺の植物など、見れば見るほど細やかに描かれていることがわかります。
ミレイの『オフィーリア』を鑑賞する際は、作品のテーマと自然描写に目を向けると、面白い発見があるかもしれません。以上、ミレイの『オフィーリア』の特徴と見どころの解説でした!
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配信: イロハニアート
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