指しゃぶりはメッセージ
本能のままに生きている赤ちゃんが指しゃぶりをするのは、それが今の自分にとって必要だからではないか、というのがわたしの持論。また、こうした意味のある子どもの行動を親の方針で「奪う」のではなく、「満たしてあげる」という考え方にヒントがあると考えています。指しゃぶりは、必ずしも悪しきものではなく、むしろ言葉を話せない赤ちゃんや感情を表すのが苦手なお子さんからのメッセージに代わってくれているということに気づきます。
心を満たしたいときの自然な欲求
さみしいときや退屈なときに指しゃぶりをするお子さんが多いことから、指しゃぶりと心の関係を指摘する方がいらっしゃいます。確かに、心と口がつながっているという実感は、わたし自身にもあります。例えば、さみしいときについ食べ過ぎてしまうとか。こう書くと、「うちの子はさみしいのかしら」と心配してしまうママもいるかも知れませんね。でもその必要はまったくありません。心を満たしたいときには、必ずさみしいという訳ではありませんので。ちょっと物足りないなあ、というときや、眠くなって甘えたいときなど、心を満たしたい瞬間はいくらでもあります。こうした様々な感情を持つようになることは、お子さんが豊かに育っている証です。
思う存分しゃぶらせてみては?
「指しゃぶりをしたい」という欲求は、本能そのまま。赤ちゃんや子どもは、「そうしたいから、する」のです。ならば、思う存分しゃぶらせてみようかな、と考えるのはどうでしょう。さらにいうなら、せっかく赤ちゃん自身が「今、ボクには指しゃぶりが必要だよ〜」と教えてくれているのだから、「今だ!チャーンス!」とばかりに、ママの指までお口のなかに入れて、満たしてあげるのはどうでしょう。事実、骨格のずれやゆがみを修復することで症状を緩和する整骨療法であるオステオパシー の施術には、口腔内に指を入れて整体する方法もあります。そんなふうに一つひとつ考えていくと、「指しゃぶり=悪しきもの」という概念が、少しずつ薄れてくるから不思議ですね。