この人は喜劇人なのではないかと思ってしまうくらい、木南晴夏の演技は面白い。毎週金曜日よる9から放送されている『ビリオン×スクール』(フジテレビ)でも木南は、視聴者の笑いのツボを連打する。
イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、喜劇的な“演技怪獣”木南晴夏を解説する。
ひとり相撲的な間合いが最高だった『9ボーダー』
木南晴夏は好きな俳優である。この人の演技は、特別アグレッシブなわけではないのに、見ているこちらを温めてくれたり、かゆいところに手が届くようにクスッと笑えるツボをおしてくれる。
つい最近の出演作だと、川口春奈主演の『9ボーダー』(TBS)がとてもよかった。三人姉妹の長女・大庭六月を演じる木南がとにかくツボおし名人のように見えた。例えば、六月の会計事務所に面接にやってきた松嶋朔(井之脇海)と会話が盛り上がる第1話の場面。
一風変わった経歴の持ち主である朔の留学先が、イタリアのナポリだと聞いた途端、「あっ、ナポリ? 私も行ったことあるよ。あのね、すっごい好きなお店があったの。えー、何だっけ、名前知ってる?」とまるで要領を得ない質問をする。恐ろしいくらいのひとり相撲的な演技の間合いが最高だった。
現実生活の様子まで想像したくなる
あるいは、六月と三女・大庭八海(畑芽育)と何だかこちょこちょささやき合ったりするかしましい会話場面など、明確な言葉になってないような早口が、たまらなく面白い。
ドラマ世界でこれだけユニークに写るということは、そもそもこの人自体、絶対面白い人だよなきっと……。木南の現実生活の様子までつい想像したくなる。
2018年、山崎豊子原作の特別ドラマ『女の勲章』(フジテレビ、2017年)での共演がきっかけで玉木宏と結婚。結婚後初のバラエティ番組出演となった『櫻井・有吉THE夜会』(2018年9月13日放送)では、玉木とジムに行くなど、いろいろとエピソードを披露していた。
配信: 女子SPA!