38歳女優の“笑いのツボを押しまくる演技”。夫とのエピソードでも垣間見えた面白さ

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“演技怪獣”木南晴夏

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 AIスーツを着た零が、教育用AIプログラム開発研究のために、私立絵都学園の問題クラス(通称、ゼロ組)の担任として赴任する設定は、ちょっと唐突過ぎるが、クラスという家族以外の共同体の中でもやっぱり木南は、コミカルなジャブを好き勝手にどんどん打っていく。

 副担任として初めに挨拶した一花が、満員電車に怯えて遅刻した零を教室に呼び込む場面でも、ほとんど聞き取れないくらいの早口でいきなり怒鳴る。零が尊大な態度を取り始めると、一応適宜フォローを入れるなど、一花は、基本的にはポーカーフェイスでいたって冷静にいるが、ある瞬間にスイッチがオン。

 職員室では、教頭・土橋淳平(永野宗典)から遅刻してきたことの反省を促され、「おい、なに遅刻してんの」と言いながら、自分で自分の肩を小突く。大丈夫か、この人……。と思わせて、また冷静に戻る。

 大富豪で自ら開発者である零は、令和の日本のアイアンマン的存在なんだろうけど、そんなアイアンマン・山田涼介に対してAI的に笑いのツボを連打する木南晴夏。

 明石家さんまのことをお笑い怪獣と形容することがあるが、木南晴夏は、喜劇的な“演技怪獣”だと思う。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu

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