山形市は、24時間対応できる傾聴型生成AIと専門職の相談員のどちらに相談するかを選べるハイブリッド型のLINE相談「つながりよりそいチャット」の運用を、7月12日(金)から開始した。
つながりの希薄化による孤独・孤立
近年、少子高齢化や核家族化の進行、コロナ禍により地域や職場、学校等でのつながりが希薄化し、孤独・孤立の問題が懸念されている。国の「孤独・孤立対策の重点計画」においては、切れ目のない24時間対応の多元的な相談支援が掲げられている。
国が掲げる切れ目のない24時間対応の多元的な相談支援の確立には、専門職の相談員の人員確保が不可欠だ。しかし、山形市において、十分な人員を確保するのは困難な状況がある。
また、悩みを抱える人の中には、窓口や電話での相談に抵抗がある人もいるため、同市はより気軽に相談できる環境が必要であると考えた。
「つながりよりそいチャット」の試行実施
そこで同市は、子育て世帯の孤独感や悩み事の解消に既に成果をあげている「おやこよりそいチャット」を参考に、2023年2月、「つながりよりそいチャット」の試行をスタート。
専門的な資格のあるスタッフがLINE公式アカウント「つながりよりそいチャット」上で相談を受け付け、オンラインでよりそいながら必要な情報提供・支援につなげる「デジタルソーシャルワーク」を実施した。
相談内容の傾向としては、漠然とした生きづらさを抱えている人からの相談が多いため、他の社会資源につなぐ必要はあまりなく、一番のニーズは「話を聞いてほしい」というものだったという。
また、このチャットのやりとりを通じて、相談者が前向きに変化していく事例がいくつも見受けられ、「つながりよりそいチャット」が孤独・孤立への新たな予防的アプローチとして効果的であることが確認されたという。
この結果を受けて同市は、2023年12月に、フローレンス、PKSHA Technology及びSapeetと、AI・SNSを活用した「孤独・孤立によりそう相談支援に関する協定」を締結し、傾聴型生成AIの開発を進めてきた。そして、この7月12日(金)より本格運用が始まった。
配信: STRAIGHT PRESS