月9『海のはじまり』(フジテレビ系 月曜よる9時~)の家族、親子関係は複雑だ。
知らない間に生まれていた子供に出会った者――月岡夏(目黒蓮)。彼の家は父母が再婚していて、いまの母と弟は血がつながっていない。でも家族4人、とても仲良くやっている。
夏の恋人・弥生(有村架純)は過去に堕胎経験がある。
第3話でわかったのは、夏の子供・海(泉谷星奈)の祖母・朱音(大竹しのぶ)は海の母・水季(古川琴音)を不妊治療のすえ42歳でようやく授かったことだった。
結婚して子供が生まれて…そういう家族はひとつも存在せず
現代(昭和の後半、平成、令和)を舞台にしたドラマだと、当たり前のように、恋愛あるいは見合いで男女が結婚して子供が生まれて家族生活が営まれているという前提の物語が多かった。が、『海のはじまり』では主要人物にそういう家族がひとつも存在していないのは多様性に配慮してのことか。それは海のランドセルが紺色であることでもわかる。
昭和の時代、男の子は黒、女の子は赤がほぼ決まりであったが、昨今のランドセルはとてもカラフルだ。水季が選んだの?と夏が聞くと自分で選んだと答える海。女の子だからといって赤とかピンクとかを選ぶわけではないのだ。そして、お友達は黄色。ランドセルの色のように家族の形も色々だ。
弥生の存在が朱音をピリピリさせる
血のつながっていない母と弟と問題なく仲良くやっている夏だが、海に対してはまだ戸惑いが消せない。
物怖(お)じしない海の対応に慣れないでいると、朱音がフォロー、子供のわかりにくい思考を夏に解説する。
朱音は苦労してやっと授かった水季を失って悲嘆にくれていて、おそらく海は娘の代わりのようにも思えているだろう。だから、海の気持ちを察することが、夏に対しての優位性となる。
でもそれが次第にそうではなくなっていく不安。実父の夏ならまだしも、弥生の存在が朱音をピリピリさせる。
配信: 女子SPA!