「大腸ポリープができやすい人の食生活」はご存知ですか?医師が徹底解説!

「大腸ポリープができやすい人の食生活」はご存知ですか?医師が徹底解説!

大腸ポリープができる原因

大腸ポリープ・大腸がんの原因としていくつかのリスク因子が分かっています。これらのリスク因子を参考にし、今後の予防に役立てましょう。

遺伝

大腸がんの患者さんの70%は発がんを促進する遺伝子や発がんを抑制している遺伝子の異常により起こっていると考えられています。一方で約5%の方で生まれながらに持っている遺伝子の異常が原因で大腸がんとなっています。家族性大腸腺腫症やリンチ症候群などがこれにあたります。残りの約20~30%は明らかな原因はわからないですが、何らかの遺伝的素因の関与があり血縁者に大腸がんを認めると言われています。このため、血縁者に大腸がんの方がいる場合には、注意をする必要があります。
家族性大腸腺腫症はがん抑制遺伝子の異常で起こる遺伝性の病気です。若い時から大腸にポリープがみられ、40代で約50%、60代までにほぼ100%大腸がんが発生すると報告されています。家族性大腸腺腫症の方では10代から定期的な大腸内視鏡検査を行うことが推奨されています。

食事・生活習慣の乱れ

今まで解説した大腸ポリープ・大腸がんの危険因子からもわかるように、生活習慣の乱れが関連しているといわれています。赤肉・加工肉の過剰摂取、食物繊維の摂取不足、大量な飲酒、喫煙、肥満、運動不足は発生に影響しています。まず、少しずつでも生活習慣の乱れを改めていくことが大切です。

加齢

加齢は避けることはできませんが、年を取ることは大腸ポリープ・大腸がんの危険因子です。このため、40代より大腸がん検診を受け、予防が勧められます。また、家族歴がある方では、特に注意をして若い時から大腸カメラなどの検査をすることをお勧めします。

大腸ポリープを予防する食べ物・食生活

肉食に偏らず、野菜などの食物繊維を摂り、過食を予防するバランスの良い食事が大切です。また、節酒も重要ですので、ぜひ実践しましょう。

食物繊維

大腸がんにおいて、食物繊維が非常に少ない人で大腸がんのリスクが高くなることが報告されています。予防するためのはっきりとした摂取量についてはわかっていません。多く摂ればとるほど大腸がんを予防できるというわけではないようです。しかし、食物繊維の摂取量不足は明らかな大腸がんのリスクとなるため、極端に野菜、キノコなどの食物繊維が少ない偏食にならないようにしましょう。

カルシウム・ビタミンDを含む食事

大腸がんのリスクはカルシウムの摂取量が少ない人と比較して、摂取量が多くなると、大腸がんの発生リスクが低くなりました。また、カルシウムとビタミンDの両方の摂取量が多いと大腸がんの発生リスクが低くなることもわかっています。カルシウムはがんの発生に関与する二次胆汁酸を吸着する事、細胞増殖や分化に直接作用してがんの発生を予防していると考えられています。ビタミンDはカルシウムの吸収に影響しているため、両方の摂取量が高い群で大腸がんのリスクが低くなったと考えられています。これからのさらなる研究が待たれますが、カルシウムやビタミンDを多く含む食事を摂ることも大腸がんを予防すると考えられます。
カルシウムが多い食材:牛乳、チーズ、ヨーグルト、煮干し、昆布、ひじき、ゴマ
ビタミンDが多い食材:きくらげ、シラス、鮭、いわし、さんま、しいたけ、卵黄

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