ゴミ屋敷、セルフネグレクトといった言葉が多くの人に認知され、社会問題にもなっている昨今。各自治体では、原因者への助言や指導、関係部署や関係機関の連携による包括的支援などをおこない改善に努めています。
アイカさん(仮名・24歳)の母は、「もらえるものは何でももらう」という精神の持ち主。問題視されているゴミ屋敷も、彼女には宝の山に映るようです。今回は、そんな母の行動が原因で大惨事を経験したアイカさんに話を聞きました。
自称・節約上手の母
「母は自分のことを“節約上手”だと言いますが、そういう領域はとっくに超えていて、“強欲”という感じです。とにかく物欲がすごい。そんな母は、自身の友だちが『両親が住んでいた家を売るために、片づけを考えている』と言ったのを聞き、飛びついたのです」
母の友人は、5年以上前に亡くなった親名義の家について業者に掃除を依頼予定でした。けれど見積もりが高額だったため、アイカさんの母をランチに誘って愚痴ったのです。それを聞いたアイカさんの母は、「私とアイカが手伝うわ!」と勝手に話を進めてしまいます。
「一度言いはじめると聞く耳を持たない母に駆り出され現地へ行くと、想像していたよりは全然マシ。『これなら私たち素人でもどうにかなりそう』とホッとしましたが、ホコリにまみれた昭和初期頃と思われるモノがゴロゴロあり、床を埋め尽くしていました」
そのため、片づけは1日では終わらない。ゴミ屋敷までは距離もあったため、仕事を持っているアイカさんは休みの日だけ手伝うことになります。
昭和な小物を大量に持ち帰ってきていることが判明
そんなこんなで数日経った頃、母がゴミ屋敷からいろいろと持ち帰り続けていることが発覚。大ゲンカになってしまいます。
「母は、『別に残飯などの生ごみがあるわけじゃないし、タダでもらえるんだからいいじゃない!』と言うのです。そして母はすっかりスネてしまい、私に反抗するかのように昭和レトロな小物の数々を大きな袋に入れ、堂々と持ち帰ってくるようになりました」
ところがしばらくすると、“紙魚(シミ)”という虫や小さなクモ、いままで家では見かけたことがなかったゴキブリが出現するようになったのです。虫が大嫌いなアイカさんは遭遇するたびに大騒ぎ。「絶対にゴミを持ち帰っているせいだ」と、母の部屋へ突撃します。
「そのときにはすでに、ゴミ屋敷から持ち帰ったモノが部屋を占拠している状態でした。そして、少しモノを動かしただけで小さなクモが何匹も飛び出してきたのです。私は半泣きになりながら嫌がる母を説き伏せ、翌日には業者に引き取りに来てもらいました」
配信: 女子SPA!