夜空に高く打ち上がる花火もよいですが、花火のワクワク感を気軽に楽しむなら、手持ち花火がおすすめです。
今年の夏は、家族でちょっとした花火大会を開いてみませんか?
この記事では、手持ち花火をはじめとするおもちゃ花火についてご紹介。
安全な遊び方や注意点とあわせて、チェックしてみてくださいね!
手持ち花火ってどんな花火?
手元できれいな火花を楽しめるのが、手持ち花火の魅力です。
しかしそもそも、手持ち花火とはどのような花火なのでしょうか?
手持ち花火のあれこれについて詳しくご紹介します。
庶民に花火が広まったのは江戸時代
庶民が手持ち花火を楽しむようになったのは、江戸時代になってからだといわれています。
当時の手持ち花火は、日本の夏におなじみの線香花火。
細いわらの先に火薬が付いた花火を、香炉や火鉢に立てて遊ぶのが主流でした。
花火の様子が仏壇にお供えする線香に似ていたことから「線香花火」とよばれるようになったといわれています。
意外と知らない! 東西で異なる線香花火
線香花火について、地域による違いがあるのはご存知でしょうか?
東日本の線香花火は、和紙で作られた「長手(ながて)」とよばれるものがほとんど。
これに対し西日本では、細いわら(すぽ)の先に火薬を付けた「すぽ手」が主流です。
画像提供:筒井時正玩具花火製造所株式会社
線香花火が生まれた江戸時代、米どころの少ない東日本では、手持ち花火用のわらを十分に用意できませんでした。
わらの代わりに、製造が盛んだった和紙を使用したといわれています。
一方関西には米所がたくさんあり、わらも豊富でした。
線香花火の材料として、わらが多用されたのです。
手持ち花火の色は多彩
一口に手持ち花火といっても、色や火花の形状はさまざま。
これは材料の火薬の種類が多種多様で、組み合わせによって火花の出方や色が変わるためです。
また花火の色は、薬品の「炎色反応」によって異なります。
色ごとに、以下のような材料が使われているそうですよ。
赤:ストロンチウム
青:銅
緑:バリウム
黄色:ナトリウム
ピンク:銅とストロンチウムの混合物
銀:アルミニウム など
なお光度を高めたいときは、色火剤に微量のマグナリウムやチタニウムを加えることもあるそうです。
日本の花火の名産地は三河地方
国産おもちゃ花火の半分以上は、愛知県岡崎市一帯で生産されています。
この地域には、江戸時代に徳川幕府の火薬製造所がありました。
当時の名残を残す店舗が複数あり、現在もおもちゃ花火の生産を行っています。
このほか愛媛・静岡・福岡なども、国産おもちゃ花火の産地として有名です。
とはいえ手持ち花火の需要の低下&安価な中国産花火の流通により、国内の花火製造業者はかなり少なくなっています。
線香花火にいたっては、1999年に国内全ての業者が廃業しました。
その後「貴重な花火製造技術を継承しよう」と開業した花火業者もありますが、数は多くありません。
この夏はぜひ国産の花火を購入して、日本の歴史や伝統を楽しんでみてはいかがでしょうか?
参考:製造所について | 筒井時正玩具花火製造所|福岡の玩具花火製造所
手持ち花火を含むおもちゃ花火の種類
手持ち花火は、おもちゃ花火の種類の一つ。
ここからは、おもちゃ花火の種類をご紹介します。
ススキ花火
着火するとススキの穂のような火花が噴出するのがススキ花火。
紙やチューブに「色火薬」が包まれており、さまざまな色を楽しめるのが特徴です。
複数種類の色火薬が詰め込まれているものは、時間がたつと色合いが変化します。
スパーク花火
着火すると、火花がパチパチときらめくのがスパーク花火。
金属粉を練り込んだ火薬が、針金などの先端に巻き付けられています。
パチパチとスパークするように見えるのは、高温になると金属片が光るためです。
絵型花火
画像提供:有限会社豊田煙火
花火の持ち手部分にイラストが描かれた花火です。
人気キャラクターを描いたものも多く、子どもウケは抜群。
花火のタイプとしては、ススキ花火やスパーク花火がほとんどです。
噴出花火
地面に置いて着火すると、勢いよく火花が吹き上がる花火です。
形状は箱形で、手の平にすっぽり収まるサイズ。
「ドラゴン」という花火がポピュラーだったため、ドラゴンという名称で記憶している方も多いかもしれません。
打ち上げ花火
地面に設置して使う、筒型の花火です。
着火すると、星や火の粉が空中に放出されます。
5~10連発のものや、パラシュートを放出するものが人気です。
配信: ASOPPA!