そもそも今回の画像の服装を「若作り」とは言わない
――大人女性の服装において、カジュアル=若作りでしょうか? また、若作りと思われやすい服装とはどういうものでしょうか。
角:いえ、カジュアルは若作りではありません。
この画像の「カジュアルおばさん」というのは、時代遅れになってしまったカジュアル服を今も着ている=若い頃の自分を捨てきれていないのでは?=無理に若作りしているカジュアルおばさん、と言いたいのではないかなと思います。
それに若作りというのは、今の若者が好んで着る、若者にしか着られないであろう突飛なトレンド服(今ならY2K)や、甘可愛いデザイン(フリルやレース)を無理して着ていることを指すので、本来の意味でいうと今回のような画像は若作りには入りません。着ている目的が違いますから。
リアルクローズに対して野暮ですが、あえてマイナスな表現をするとしたら若作りカジュアルではなく、最新流行ではないカジュアル? でしょうか。それでも全ての人が毎日洗練されている必要はないですし、着る場所のTPOによっては下ろしたてのデニムやTシャツなんて着られませんよね。例えば公園で子どもと遊ぶ時間などは泥まみれになるかもしれないわけですし……。それに、服を選ぶ気力がない日も、おしゃれをする必要がない日も、いくらでもあります。少し古くなった服を着て、画像のカジュアルおばさんのようなコーデで落ち着く日があるのは当たり前のことですよね。
90年代後半のギャルっぽいロゴTシャツがポイントのよう
――画像内で名指しで指摘されているロゴTシャツ、デニムパンツ、スニーカーは、アイテム単体としてはどうなのでしょうか。
角:仮に画像のアイテムの中でどれか一つを変えるとしたら、やはり一番目立ってしまうロゴTシャツでしょうか。このタイプのロゴTシャツは90年代後半・2000年代初期のギャルが着ていたようなデザインを彷彿とさせます。
画像の女性が穿いているデニムはボーイフレンドデニムと言われるもので、全盛期は2010年前後。現在もボーフレンドデニムは売られていますが、今売られているボーイフレンドと2010年頃に流行したボーイフレンドデニムはシルエット設計が微妙に変化しています。画像では明らかに昔のデザインのものをあえて選んでいますね。
コンバースのスニーカーは今も昔もデザインに変化はなく、繰り返しになりますが、スニーカー単体では古くもないし若作りでもありません。しかし、ボーイフレンドデニムとコンバースのハイカットの組み合わせは足が太く見えるので、その影響で野暮ったい印象になりますね。若作りというわけではないですが、着こなしが洗練されていないので残念に見えるかも。
配信: 女子SPA!