落ち着いて見られたい場合「三拍子が揃ったロゴT」は避けたい
――あの画像の女性から「若作り」「野暮ったい」と言われる要素を取り除くなら、元のブログで解説されている重ね着以外で、何をどう変更したら印象が変わりそうか教えてください。
角:Tシャツとデニムはトレンドが変化しやすいので、今のトレンドに合わせたシルエットのものを選ぶだけでOKです。とくにロゴTシャツは「配色数が多い」「主張の強いフォントデザイン」「色の主張も強い」という三拍子が揃うと、女子中学生くらいの子が着るようなカジュアルTシャツを彷彿とさせるので、落ち着いて見られたい場合は避けたほうが良いですね。
あと、画像のアクセサリーもすべて2010年代前後の流行りを彷彿とさせる微妙に古いデザインのものが使われています。アクセサリーもシュシュも今売っているものを買えば、古臭さもなくなり若作り感も薄まります。……ですが、今人気のシュシュはとにかくデカいしフリルもヒダも大きいので、大人が使うとちょっと“可愛いおばちゃん感”が出やすく、私としては今はあまりおすすめしていません。
普段着を365日、おしゃれで洗練されたものにする必要はない
――最後にひと言、あの画像にイラッとした女性たちへメッセージを。
角:年齢を重ねて良いなと思うのは、自分のアイデンティティが確立できることです。昔はみんなが着ているから、流行っているから、これがウケるからという理由でファッションを決めていたけれど、大人になってようやく人目を気にせず好きな服を身につけたいと思うようになったという方も多いのではないでしょうか。
その好きな服がカジュアル服であっても、昔の服であっても、少しぐらい組み合わせがチグハグでも、私は良いと思います。何より、常に肩肘はって、普段着をいつでもおしゃれで洗練されたものにする必要もありません。私自身も在宅時はダルっとした毛玉服に身を包みたい日もあるので(笑)。
ファッションは、ちょっとおしゃれを頑張りたい時に「どんなアイテムを選べば良いのかな」と考えるくらいでちょうど良いのかなと思います。
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この連載で角さんが普段発信している内容も、あくまで“頑張りたい日”の話。365日洗練されたファッションに身を包むのは、ファッション誌の中だけでいいのです。自分のために身につける日々のリアルクローズ、胸を張って着倒していこうではありませんか。
<コメント&イラスト/角佑宇子、取材/女子SPA!編集部>
【角 佑宇子】
(すみゆうこ)ファッションライター・スタイリスト。スタイリストアシスタントを経て2012年に独立。過去のオシャレ失敗経験を活かし、日常で使える、ちょっとタメになる情報を配信中。2023年9月、NHK『あさイチ』に出演。インスタグラムは@sumi.1105
配信: 女子SPA!
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