看護師から「クサい!」さらに医師が言い放った驚愕の言葉とは?有名病院の高額ナニコレ診療の実態

看護師から「クサい!」さらに医師が言い放った驚愕の言葉とは?有名病院の高額ナニコレ診療の実態

―連載「沼の話を聞いてみた」―

他人に理解されにくい病は数多くあるが、そのひとつに「化学物質過敏症」がある。生活のなかで触れるわずかな化学物質によって、頭痛や吐き気、めまい、かゆみほかさまざまな不定愁訴(ふていしゅうそ)が現れるという。

40代の林田ナオさん(仮名)も、化学物質過敏症と診断されたひとりだ。


はじまりは、10年以上前。派遣社員として働いていた会社の商材によりアレルギーがひどくなり、仕事はおろか、日常生活もままならぬほどに体調が悪化した。そこから医師の指導や書籍の情報を頼りに、農薬、添加物、化学物質を極力避ける生活を実践している。

ところが次々と、首をかしげたくなる出来事に遭遇したと話す。その体験のはじまりを聞いていこう。

看護師から「クサい!」はじめての病院で衝撃体験

「化学物質過敏症は体の不調に加えて周りに理解してもらえないつらさもありますが、頼れる医者に出会えなかったのも、かなり悩ませられた部分です」

当時はいま以上に、化学物質過敏症は「よくわからないもの」とされていた。「研究や解明が待たれる」という状況で、専門とする病院は少なかった(いまでも少ないだろうが)。


しかし幸いにも、通える距離の某有名病院に専門外来が設けられていた(現在その病院は化学物質過敏症の診察を終了している)。そうとなれば選択の余地なく、そこへ予約を入れた。

普通なら「ラッキー」と言えそうだが、ナオさんの場合はそれが迷走(いわば沼の入り口)のきっかけとなってしまった。

「クサい!」

満を持しての診察当日。まずはじめに、ナオさんは更衣室で看護師に怒られた。ナオさんから漂うシャンプーの香りが強いという指摘のようだ。

怒る看護師&医師

「そんなニオイがするようなシャンプーを使うから、化学物質過敏症になるのよ!」

診察の予約を入れると、事前に手紙が届く。診察当日はしっかり入浴をして化粧品などは一切つけずに来るようになどの、指示が書いてあるのだ。そのとおりに入念に全身を洗い、挑んだのが裏目に出た。

その専門外来では外からの化学物質を持ち込まないために、更衣室で用意された衣服に着替えてから、待合室に入室するシステムだった。


「当時はまだ、化粧品や柔軟剤の香りが体調不良の原因になることが広くは知られておらず、私も化学物質過敏症に関して無知だったので、シャンプーの香りにも気をつけるべきだとは、知りませんでした。しかしこの界隈では常識とされているようなので、そこは私が勉強不足だったのでしょう。でもできれば、事前に届く手紙に『無香料のもので洗う』と書いておいてほしかった……」

勉強不足だからといって怒らんでも、とは思う。

しかしこれはまだ、些末(さまつ)なことだった。同外来におけるナオさんのファーストインパクトは、「高額サプリと空気清浄機を買わないと激怒される」というナニコレ診察だ。

「診察がはじまると症状の聞き取り、それから生活指導が行われました。先生いわく、歯磨き粉や洗剤も、石けん系のものを選ぶ。毎日散歩と半身浴。便秘はダメ……そんな一般的な話のあと、コエンザイムQ10のサプリ摂取を勧められるんです。“これが肝心!”といった雰囲気でした」


医師の話では、本来は1カ月分10万円はする高品質なサプリメントを、メーカーの社長がうちの患者のために特別に月3万円で買えるようにしてくれている。サプリとあわせて、空気清浄機も必須。知り合いの店に置いてあるから、そこで買うといい、とのことだった。

サプリメントは“食品”であり保険診療で認められないゆえに、高額になりがちだ。しかしナオさんには、貯蓄がなかった。

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