“チャッキー”と呼ばれる人形が、かわいらしい見た目とは裏腹に、残虐な殺人を繰り広げる映画「チャイルド・プレイ」シリーズ。本シリーズがフランチャイズ生みの親であるドン・マンシーニ監督によってテレビシリーズ化された。現在動画配信サービス・Huluでは、「チャッキー」シーズン1と2が配信中。そして8月10日(土)よりシーズン3の独占配信もスタートするため、本記事ではシーズン1(全8話)のあらすじや見どころを振り返っていく。
■孤独な少年・ジェイクの周りで不審死が相次ぐ…「チャッキー」シーズン1のあらすじ
本作は、2017年に公開された映画「チャイルド・プレイ ~チャッキーの狂気病棟~」の続編と位置付けられており、アメリカでは2021年10月より放送された。
主人公は、大人しい性格の中学生・ジェイク(ザカリー・アーサー)。ジェイクは父親と2人で暮らしているが、自身がゲイであることや、壊れた人形を繋ぎ合わせてアート作品を作る趣味を持っていることから父親に理解されず、友人にも変人扱いされる日々を送っていた。
ある時、ジェイクは郊外のヤード・セールでグッド・ガイ人形こと“チャッキー”を手に入れる。するとジェイクの周りでは次々と不審死が起き始め、ジェイクは犯人として疑われてしまう。そんな中、ある出来事をきっかけに、ジェイクはチャッキーに連続殺人犯チャールズ・リー・レイの魂が宿っていることを知り――。
本作はこれまでの映画シリーズとは異なり、チャッキーに立ち向かう少年少女と、彼らを取り巻く親たちを描いたストーリーに仕上がっている。
作中では主人公・ジェイクのほかに、ジェイクの従兄弟で金持ちのジュニア(テオ・ブリオネス)、ジュニアの彼女で同じく金持ちだが、妹ばかりかわいがる両親に不満を抱く少女・レクシー(アリヴィア・アリン・リンド)、そして刑事の息子で犯罪系のポッドキャストを配信している地味なオタク・デヴォン(ビョルグヴィン・アルナルソン)がメインキャラとして登場する。
■スプラッター作品をコミカルに描く、「チャッキー」シリーズの見どころ
本作では、単にチャッキーが殺人を犯していくだけでなく、巧みな話術でジェイクを悪の道へと誘いこみ、ジェイクを苦しめる存在をターゲットに暴れ回る様子が描かれる。スプラッター要素アリのホラーシーンは映画シリーズに引き続き見どころで、チャッキーがどんどん傷だらけになっていく姿やショッキングなシーンなども満載。ホラーファンも満足できる一作となっている。
また、チャッキーはたいした動機もなく簡単に人を殺してしまう“サイコパス”として描かれているが、キャラクター自体が非常にコミカルに描かれているため、そこまで気分が重くなることなく、ライトに鑑賞できる。そしてチャッキーに翻弄されるジェイクの心の変化や葛藤なども、本作における魅力の一つと言えるだろう。
コメディ要素に関しては、字幕版ではブラッド・ドゥーリフ(1950年生まれ)が、吹替版では島田敏(1954年生まれ)がチャッキーの声を担当していることもあり、“子供の人形なのに声は立派な大人”というギャップが面白味を増している。さらに、チャッキーの口から不意に出るブラックジョークや、殺人で周囲がパニックになる中、楽しそうに中指を立てる狂気的な仕草などもコミカルな要素として挙げられる。
■“多様性”を取り入れた新しいキャラクター設定
また、本作には時代に沿った新しい価値観などのいわゆる“多様性”を取り入れた、キャラクター設定や人間関係がうかがえる点も見どころだ。
例えば、ジェイクを支えるキャラとして登場する男子生徒デヴォンは、始めはただのクラスメイトだったものの、チャッキーの登場により身の回りに不幸が訪れるジェイクのことを心配し始める。そして刑事の母親に反対されながらもそれを振り切り、友人として関わるように。その後、2人の間には友情以上のものが生まれ、付き合うようになるのだ。
そのほかにも、もう1人のクラスメイト・レクシーは父親が専業主夫で母親が市長を務めており、性別と職業に対する価値観もかなりアップデートされている。
■映画シリーズでお馴染みのキャラたちが集結!チャッキーの誕生秘話も
シーズン1では、ほかにも見逃せない要素として“これまでの作品ファンも満足できる”部分が盛り込まれている。実は、映画「チャイルド・プレイ」で子どもだったアンディ(アレックス・ヴィンセント)をはじめ、映画シリーズにおける主要キャラクターたちが登場するのだ。
「チャイルド・プレイ2」でアンディが引き取られた里親の子どもだったカイル(クリスティーン・エリス)、そして映画でチャッキーの魔力でチャッキーに憑依され、その魂と共存することになったニカ(フィオナ・ドゥーリフ)、「チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁」などに登場するチャッキーの恋人で、チャッキーと同じく人形に魂を宿して生きているティファニー(ジェニファー・ティリー)など、懐かしのメインキャラが歳を重ねて再登場している。
中でも、映画シリーズ第1弾「チャイルド・プレイ」(1988年公開)からチャッキーと激闘を繰り広げてきたアンディは、同シーズンでジェイクたちを救おうと奮闘する様子が描かれており、往年のファンからも“エモい”と好評の声が上がっている。
また、チャッキーことチャールズ・リー・レイ自身の知られざる誕生秘話が明かされる点も、本作の見どころポイントだ。チャールズはいかにして殺人鬼になったのか、その経緯を含め幼少期からのエピソードが描かれている。映画でも明かされなかった事実の数々に驚愕するだけでなく、チャッキーという存在や作品自体をますます好きになることだろう。
配信: WEBザテレビジョン
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