【プロが教える】おしゃれな洗面台を実現する方法!洗面器の形状別に豊富な実例を使って解説

【プロが教える】おしゃれな洗面台を実現する方法!洗面器の形状別に豊富な実例を使って解説

※本記事の家具・コーディネートなどの画像を確認したい場合は、Hello Interiorホームページにてご確認ください。

毎朝の身支度からお休み前の歯磨きまで、一日に何度も使う洗面台は、さまざまな化粧品や日用品を収納することも多い場所。

生活感が出やすいことから、近年「アウトベイシンスタイル」という考え方が増え、脱衣所の外に洗面スペースを独立させたり、コンパクトなセカンド洗面台を新たに設置したりするご家庭も増えてきています。

「素敵な洗面台をつくりたいけど、使いやすさも重視したい」「既製の洗面台でもカッコいいイメージになる?」など、洗面台づくりでお悩みの方はいませんか?

今回は洗面台を計画中の方に向け、おしゃれに実現するためのポイントや参考事例をご紹介します。

来客が驚く!おしゃれな洗面台を実現する方法

洗面台と窓の位置関係

初めに確認しておきたいのは、洗面所内に窓がある場合の洗面台との位置関係。

洗面台の鏡に向かった際、背面側に窓があると「逆光」となり鏡が見えづらくなります。

洗面台の左右どちらかに窓がある場合も、鏡を見たときに光量に違いが出やすいので避けたほうが無難。

【横長の高窓(ハイサイドライト)を設置した例】

上のように、横長の高窓(ハイサイドライト)なら、左右均一な反射光を利用できるのでおすすめです。

照明計画

続いて照明計画ですが、浴室に近い洗面台の場合、湿度や水気のある場所でも使える「防湿・防滴」対応の照明を選びましょう。

人感センサー付きや、手をかざして点灯・消灯ができる照明なら、手が汚れていても簡単にON/OFFの操作ができるので使い勝手抜群です。

天井照明は、暖色系の温かみを感じられる「電球色」を。洗面台まわりは、太陽光の色合いに最も近く、メイクや髭剃りなど細かい作業に適した「昼白色」の照明を選び、2種類の照明を併用するのがおすすめ。

洗面台のサイズ

洗面台の間口は、600㎜/750㎜/900㎜が主流。

ですが「同時間帯に複数人で使用する」「女性が多い」場合、横並びになることを考慮すると、最低でも間口1000㎜、できれば1200㎜以上は確保したいところです。

洗面ボウルの縁までの高さは、750㎜/800㎜/850㎜であることが多く「身長÷2」が目安となりますが、今は平均身長が上がっていることから、メーカーによっては「高さ85㎝」を標準にしているところも。

家族の身長の平均(平均が165㎝なら82~83㎝が適正)を参考にしたり、ショールームなどでシミュレーションをしたりして、適した高さを決めましょう。

なお、洗面台の奥行は400~600㎜が標準ですが、洗面まわりの動線を確保できるかどうかが重要。

洗面台を使用中でも他の人が行き来しやすいか、ドアが洗面台にぶつからないかなどを考慮して、奥行寸法を決めましょう。

洗面ボウル(シンク)の選び方

複数で同時間帯に洗面台を使うことが多くても、洗面ボウル(シンク)を必ず2つ設置する必要はありません。

上画像のように「幅広の洗面ボウル(シンク)を1つ+水栓2ケ」とする方法もおすすめです。

洗面ボウルをひとつ片側に寄せて設置すれば、空いたスペースを一時的な着替えの置き場所や、作業台として使えるように。

また、汚れたものを洗うなら、洗面ボウルとは別途、大きめのバケツを置ける深型のスロップシンクを設置するという方法もあります。

続いて、洗面台の代表的な3タイプをみていきましょう。

ユニット洗面台

【4層のウレタン塗装を施し、耐水性に優れる『無垢の木の洗面台』:WOODONE】

多くのユーザーの声を受けて、メーカーが特に機能面を重視してつくるのがユニット洗面台。商品ごとに決められた規格サイズがあります。

メリットは、水撥ね防止や清掃性に特に配慮し、水栓位置やシンク(ボウル)の形状が計算されている点。

他にも省エネに配慮した水栓や補助照明付きミラー、オプションで収納キャビネットが選べるなど、使いやすさを重視した商品が多く揃います。

一方で、壁や洗濯機などとの間にデッドスペースが発生しやすく、見栄えが悪くなったり、隙間の清掃が大変になったりするのがデメリット。

システム洗面台

【セカンド洗面としても使いやすい間口600㎜の洗面台:mizu no hana】

システム洗面台は、洗面カウンターや洗面ボウル、ミラーや収納ユニット、水栓など、パーツを選んで組み立てるもの。

ユニット洗面台に比べてオリジナリティを出しやすく、サイズオーダーに対応できるものが多く揃います。

一方で、選ぶ商品によっては、ユニット洗面台よりコスト高になる場合が。一部のメーカー品は、互換性がないため組み合わせができない、というケースもあります。

造作洗面台

【カウンター下にスライド式トレーを設置した洗面台:WAILEA】

カウンターサイズや収納ユニットのデザイン、洗面ボウルの形状など、すべて一から考えて製作するのが造作洗面台。

主にハウスメーカーや工務店、造作家具の専門会社などに依頼しますが、洗面台のなかで最も費用がかかりやすいといえるでしょう。

打合せから納品まで一定の時間がかかるため、余裕を持ってプランニングするのがおすすめ。

それでは、おしゃれな洗面台を実現するための3つのポイントをみていきましょう。

具体的なイメージがあるならシステム洗面台or造作洗面台。こだわらないならユニット洗面台がおすすめ

【2ボウル仕様の造作洗面台:WAILEA】

具体的な洗面台のイメージがあるなら、システム洗面台や造作洗面台がおすすめ。

西海岸調なら「白&ブルーのモザイクタイル貼りの洗面ボウルを選ぶ」、北欧スタイルなら「床材と収納棚の素材を天然木で統一する」など。

内装の色や素材、インテリアスタイルなどに合わせて、イメージ通りの洗面台を実現することができます。

【カスタマイズしやすいユニット洗面台:TOTO『ドレーナ』】

特にデザインの希望がないなら、機能性に優れるユニット洗面台を選べば、まず間違いありません。

自分仕様にアレンジしたり、機能を拡張したりすることは難しいのですが、サイズ感さえ問題なければ、メンテナンス性と使い勝手とも申し分ない洗面台をつくることができます。

上の画像は、造作家具感覚でカスタマイズできるユニット洗面台の一例。

壁から壁まで隙間なくぴったり設置できるほか、カウンターと扉を、同色でコーディネートすることもできます。

掃除のしやすさや、収納アイテムと収納量についても事前に想定する

【ボウルとカウンターが一体になった、シームレスデザインの洗面台:AICA】

洗面ボウルは、カウンター上にボウルを置く「ベッセルタイプ」、カウンター下にボウルを埋め込む「埋め込みタイプ」、ボウルを半分以上カウンターへ埋め込む「半埋め込みタイプ」の主に3種類があります。

幅や深さが大きいほうが水撥ねしにくいといわれていますが、「ベッセルタイプ」は、形状によってボウルとカウンター間に隙間が生まれて、掃除がしにくくなることも。

「埋め込み」タイプも同様に、ボウルとカウンター間に段差が生じやすいので注意しましょう。

清掃しやすさを考えると、おすすめは上画像のような段差のない納まり(シームアンダーデザイン)。

天板とボウルの継ぎ目が目立たず、段差もないため、汚れが溜まりにくいのが特徴です。

また、樹脂製の洗面ボウル(人工大理石など)は、ヘアカラー剤による変色がしやすい点に注意。人工大理石製を選ぶなら、ポリエステル系よりも強度があって熱にも比較的強い、アクリル系を選ぶのがおすすめです。

ホーロー製ボウルは、汚れや匂いが付きにくい一方、表面のコーティングが剥がれるとベースとなる金属が錆びやすくなるので注意しましょう。

水栓は「カウンター天板や洗面器に付くタイプ」や「壁付けタイプ」などがあります。

壁付けタイプは、天板に障害物がなくなり清掃しやすいのですが、故障や点検の際に壁を剥がすことになるケースも。

あらかじめ壁をふかしてPS(パイプスペース)を設けるなど、後々のメンテナンスにも配慮しましょう。

【無垢材のルーバー扉で製作した造作キャビネット:WAILEA】

収納物が多く集まる洗面台は、収納付ミラー裏や引き出しなどを活用することで、すっきりした見た目になります。

洗面台の用途や使用者、収納アイテムと量を想定し、収納量はやや多めにプランニングするのがおすすめ。

「造作風」洗面台でもオリジナリティを出すことは可能

【洗面カウンターと棚板を組み合わせる洗面台『スマートサニタリーU』:AICA】

オーダーメイドに憧れるけれど、打ち合わせが大変そうだしコストもかかりそう…という場合は「造作風」の洗面台を検討してみるのもあり。

おすすめは、給排水金具や施工金具等の必須品目がセットプラン化されたシステム洗面台。

打ち合わせにかかる手間や時間をおさえつつ、カウンター表面材の色柄や寸法、洗面ボウルの形状、収納パーツ類を、洗面所のサイズやイメージに合わせて自由にコーディネートすることができます。

既製品で良いものが見つからない場合は造作の選択肢も検討しよう

洗面台を造作するかどうかの判断ポイント

【壁面収納に楕円開口を開けて設置した洗面台:WAILEA】

「壁と洗面台の間に無駄な隙間をつくりたくない」「周囲の家具や内装材と調和させたい」などという場合は、造作洗面台を検討してみましょう。

製作会社(依頼先)によりますが、洗面ボウルやミラーなど必要な洗面パーツのみ施主支給、それ以外のカウンターや収納棚のみの製作を請け負ってくれる会社もあります。

【シンク、水栓金具、蛇口レバー、タイル、給水管を施主支給した例】

一から図面を引いてもらうフルオーダーは、コストが高くなる傾向ですが、各種メーカーのパーツを組み合わせるセミオーダーなら、ユニット洗面台より安価に仕上がるケースも。

ただし、施工者(大工)の腕によって仕上がりに影響したり、使い勝手が事前にイメージしづらかったりするので、パースや写真などを使って、完成イメージを共有しておくと安心。

「修理の場合の連絡先」や「造作洗面台の保証先/保証期間」についても、事前に確認しておきましょう。

洗面台を造作する場合におしゃれに仕上げるポイント

【天井まで収納棚を設置した例:WAILEA】

一般的なユニット洗面台の場合、収納棚の高さはH1900㎜程度であることが多いのですが、天井との間に微妙な隙間が生まれやすくなります。

上画像のように、天井ぎりぎりまで収納棚や鏡を造作すれば、1㎜も無駄なく空間を活用することが可能。

【カウンター天板から洗面ボウルまでモールテックスで仕上げた例】

他にも、柔軟性と強度に優れるモールテックスなどを採用すれば、洗面カウンターとシンクが一体化したシームレスな仕上がりに。

洗面カウンターと作業台の継ぎ目がなければ、意匠性はもちろんのこと、毎日のメンテナンスも楽々。

住宅のプロは知っている。洗面台を検討するときに、問合せて見てほしいメーカー

【ガラスや陶器より割れにくい素材『Cスルー』:sanwa company】

「Minimalism(最小限)」をコンセプトに、シンプルで洗練された洗面台を提案しているのがsanwa company。

メーカーや工場から直接仕入れることで低価格販売を実現し、ゼネコンや工務店、一般ユーザーまで、同一価格で購入することができます。

洗面ボウルや手洗器は、オリジナルデザインから海外ブランド(専売品)まで、約200アイテム以上揃うほか、水栓は約60、ミラーは約100(ミラーボックス・ミラーキャビネット含む)アイテムと、充実したラインナップが魅力。

【シンク位置を左寄り・右寄り・センターから選べる『L-form』:sanwa company】

sanwa companyの洗面台下は約20種から選べますが、洗面所の寸法にぴったり合うよう、別途カウンター天板をオーダーすることもできます。

「ミラーと洗面下台」を選ぶAタイプ、「ミラーと洗面台下、+洗面ボウル」を選んで個性を出せるBタイプ、「ミラーと洗面ボウル」を選んで足元をすっきり見せるCタイプ、「完全オリジナルで製作する」Dタイプなど、希望に合わせてセレクト可能。

ショールームは東京・大阪・仙台・名古屋・福岡などにあるので、足を運んでみましょう(一部ショールームは完全予約制)。

洗面器の形状別おしゃれな洗面台実例15選!

四角洗面器のおしゃれな洗面台実例 4選

限りなく薄い面で構成されたフォルム

限りなく薄くフラットな面(独語でCara)で構成された、壁付け型の洗面ボウル。

基材はステンレス製(SUS304)。台下はオープン仕様で、タオルや洗面小物を収納できます。

シンプルながらも武骨感漂うデザイン

「ホームキャンプを楽しむ」をコンセプトに、インダストリアル調の内装で構成された家。

コンクリート調カウンターにステンレス製の置き型ボウルを配し、武骨なテイストでまとめています。

テラゾー調ボウルでコンテンポラリーな空間に

木製カウンターにテラゾー(人造大理石)調ボウルを配した、コンテンポラリーな空間。

濃淡ある砂礫を散りばめたグレー色のボウルが、白と黒を基調とするクラシカルな内装に映えます。

実験用シンクを壁付けしたインダストリアルな玄関

グレーのモールテックス塗装を施した玄関脇に、実験用シンクを配した例。

あえて錆止め加工を施さない真鍮の蛇口や剥き出しの配管が、インダストリアルな要素を強めています。

円形・楕円形洗面器のおしゃれな洗面台実例4選

洗面機能とアート性を兼ね備えるイタリア製陶器ボウル

イタリア・グロボ社の陶器製洗面ボウルは、薄く仕上げた縁が特徴。

天然石を再現したマットなグレー色が、上品な印象を醸し出します。

薄いリムと丸みのあるデザイン

ドイツの国際デザイン賞「Iconic Award」を受賞した、イタリア・スカラベオ社の洗面ボウル「Glam」。

薄いリムと丸みを帯びたフォルムで、ソフトな印象に。

自然素材を生かして作家が手作り

木や鉄、土といった自然素材を生かし、アーティストが手作りした洗面台。

陶器製の洗面ボウルも手作り。

古道具屋や古家の解体などでストックしておいた蛇口も、良い味を出しています。

アンティークのベビーバスを洗面シンクにリメイク

アンティークのベビーバスを、洗面シンクとしてリメイク。

ヴィンテージの建具や家具類と組み合わせ、唯一無二の世界観を作り上げています。

お椀型洗面器のおしゃれな洗面台実例 4選

昭和レトロなモザイクボウル

美濃の磁器成形技術(素地)と、タイル技術(貼り付け)を融合した手洗いボウルです。

窯変で玉虫色に輝くモザイクタイルが、昭和レトロな印象。

同じものがひとつとない天然石材の洗面ボウル

回廊の角に配置された洗面スペースは、壁材、洗面ボウルともすべてオリジナル。

繊細な表情を持つ石材貼りの壁に、リバーストーンならではの素材感が際立ちます。

Rを取った木製カウンターに手洗いボウルを設置

玄関入ってすぐの場所に、ステンレス製の手洗いスペースを設けた例。

R面を取った木製カウンターの天板が、自然素材の建材とともに温かみを演出しています。

グレービードロ釉が信楽焼独特の味を表現

深みある深紅色のカウンターに、グレーの信楽焼ボウルを配した例です。

降りかかった灰が長時間高温焼成されてできるビードロ釉の色味が、信楽焼独特の味わいを表現。

特殊な形状の洗面器のおしゃれな洗面台実例 3選

ダリの絵画を思わせる曲線デザイン

米国デュポン社によって開発された、コーリアン(人工大理石)製の洗面台。

サルバドール・ダリ作「記憶の固執」の溶けて柔らかくなった時計のような、シームレスな曲線デザインが目を引きます。

アンモナイトにインスピレーションを得たデザイン

ドイツのHighTechが手掛けた、コンクリート仕様のアンモナイト型洗面台。

蛇口をひねると、水がぐるぐると螺旋状に流れていく、ユニークな仕掛け。

ロンドン中心部の街並みを再現した木製水盤

ウクライナのデザイナーが手掛けた、木製洗面台「WATER MAP」。

上空から見たロンドン中心部の街並みを再現したもので、水が溝と溝の間を水路のように流れていきます。

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