【管理栄養士監修】スーパーに急げ!スイカが救う夏の美容と健康|知られざるスイカのポテンシャルとは?

スイカの栄養と効果

夏の代名詞ともいえる甘くておいしいスイカ。実はスイカには優れた栄養素が含まれているのです。

美容に嬉しい栄養素もあるので、この夏はぜひ意識して食べてみませんか?

カリウム

カリウムは余分なナトリウムを排出するので、塩分の摂りすぎを調節し、むくみを解消する働きがあります。

不足するとだるさを感じたり、食欲不振、精神障害や不整脈を引き起しやすくなったりするため、夏バテで食欲がない時にも摂りたい栄養素です。

一般的に、カリウムが過剰になることはほとんどないといわれています。

しかし、腎機能障害がある方や医師にカリウム制限を受けている方はカリウムの排出が上手くいかないため、スイカなどの果物を食べるときは注意が必要です。

ビタミンA

ビタミンAは脂溶性ビタミンの一種で、その名の通り油に溶けるビタミンです。

皮膚と粘膜細胞の抵抗力を強め、目や皮膚の粘膜を健康に保ち、暗いところでの視力を保ってくれる働きがあります。また、体内に侵入してしまった病原体に対抗するリンパ球などの白血球細胞の発生・分化にも非常に重要な栄養素で、免疫力を高める効果もあるそうです。

ビタミンC

ビタミンCは、鉄の吸収促進や免疫力を強化してくれる働きがあります。白血球がウイルスなどと戦う際に発生する活性酸素は正常な細胞までも破壊してしまいますが、その活性酸素の働きをも抑制してくれます。

また、ビタミンCは体内で合成できないビタミンでもあります。コラーゲンを合成するのに必要不可欠な栄養素でもあるため、お肌の健康のためにも積極的にとりたいビタミンです。

ビタミンB6

ビタミンB6は、血や筋肉をつくるたんぱく質の代謝に必要不可欠な栄養素です。

たんぱく質の摂取量が多いほど、ビタミンB6の必要量も増加します。ビタミンB6が不足すると体内でのたんぱく質代謝が滞ってしまうため、代謝アップのためにも積極的に摂りたいですね。

また、ビタミンB6の不足によって体内に増加する「キサンツレン酸」がつわりに関係していると考えられています。ビタミンB6製剤を用いたことでつわりが改善したという研究報告もあるようです。

パントテン酸

パントテン酸はビタミンB群の一種で、水溶性のビタミンです。「いたるところにある酸」という意味で命名されたこのビタミンは、名前の通りさまざまな食品に含まれています。

パントテン酸は、エネルギー代謝にとってとても重要なビタミンで、善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールを増やす働きもあります。

さらに、ホルモンや抗体の産生に関与し、抗ストレスホルモンである副腎皮質ホルモンを合成するビタミンのため「抗ストレスビタミン」とも呼ばれます。

マグネシウム

マグネシウムは、古代ギリシャのマグネシアという地域で採れた「白マグネシウム」という物質に含まれていたことからその名が付いたといわれています。

ほぼ全ての生合成反応や代謝に必須なミネラルで、骨密度の増加や骨折予防など、骨の健康を維持してくれるので、積極的に摂りたい栄養素だといえます。

さらに近年、毎日の食事でマグネシウムを十分に摂っていると認知症予防の可能性があるとオーストラリア国立大学の研究グループが発表しました。

とても重要なミネラルであるということがわかりますね。

シトルリン

シトルリンは聞きなれない栄養成分かもしれません。

血中コレステロールの改善、運動能力の改善、アンモニア解毒などのサポートをしてくれる栄養素です。また、血管の機能が改善されたという研究報告もあります。

機能性成分 βカロテン・リコピン

βカロテン・リコピンは機能性成分の一種です。

機能性成分は、厳密にいうと生きていく上で必須の栄養素ではありませんが、抗酸化作用や抗発癌作用などといった機能的な効果を期待される成分のことを指します。

βカロテン

βカロテンは体内に入ると必要な分だけビタミンAに変換され、皮膚・粘膜を丈夫にすることで免疫力を高める働きがあります。

残りのβカロテンは体内に蓄積されます。

リコピン

実はリコピンもカロテンの仲間で、抗酸化作用はβカロテンの2倍もあります。紫外線が強くなるこの時期、皮膚へのダメージを予防・軽減する効果が期待できるそうです。

また、血中のHDLコレステロールも増加させる働きがあります。

リコピンの吸収率が一番高くなるのは朝だそう。朝食のデザートとしてスイカを食べるのも良いですね。

参考

カリウムの働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット

ビタミンA|大塚製薬 栄養素カレッジ

ビタミンC|大塚製薬 栄養素カレッジ

ビタミンB6の働きとは?摂取量の目安やビタミンB6を多く含む食品も紹介|アリナミン

パントテン酸|大塚製薬 栄養素カレッジ

パントテン酸の働きと1日の摂取量|健康長寿ネット

マグネシウム|国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所

マグネシウムの摂取が認知症予防に|Active Brain CLUB

シトルリンによる健康効果と副作用 血流を改善する|エクセレントメディカル楽天市場店

注目の成分&素材辞典|株式会社ナチュラリー・ヘルスフーズ

トマトの赤い色素リコピンのうれしい2つの効果とは? |KAGOME

すいか 西瓜 Watermelon|果物情報サイト 果物ナビ

機能性成分-食品の検査│食品分析開発センターSUNATEC

スイカを食べるうえでの注意

健康に良い栄養素を多く含むスイカ。

たくさん食べればその恩恵を多く受けられそうな気もしますが、実際はどうなのでしょうか。

どのくらい食べてもOK?

農林水産省は、1日当たりの果物摂取目安量を200gと推奨しています。スイカでいうと1辺が3㎝のサイコロ状にカットしたスイカ約6個分に相当します。

これは摂取量の少ない人を念頭に置いた目安量で、200g以上の摂取を制限するものではありませんが、たくさん食べればよいというわけでもありません。

健康に良いスイカですが、食べ過ぎると体の冷えや消化不良、カロリーオーバーや血糖値の上昇を招く可能性もあるので、200gを目安に適量を食べるのがよいでしょう。

妊婦さんは食べていい?

結論から言うと、妊娠中にスイカを食べても問題ありません。

妊娠中はむくみやすく、つわりによって脱水症状も起こりやすくなります。スイカを食べることで、むくみの改善に効果的なカリウムやシトルリンを摂ることができ、水分補給にもなるのでおすすめです。

ただし、食べやすいからと一度にたくさん食べるとカロリーや糖質の摂りすぎにつながる可能性があります。体の冷えや腹痛、消化不良を起こす場合もあるので、食べすぎには注意しましょう。

食べるのに注意が必要な方は?

スイカにはカリウムが多く含まれるので、腎臓の機能が低下している方は注意が必要です。

カリウム自体が腎臓に悪影響を及ぼすわけではありませんが、腎機能が低下している場合はカリウムを尿中に十分に排出することができず、体内に蓄積してしまいます。

血中のカリウム濃度が上がってしまうと危険な不整脈が起きるリスクなどがあるため、医師からカリウム摂取の制限を受けることがあります。

参考

FACT BOOK 果物と健康 六訂版|農林水産省

医師監修|妊婦はスイカを食べたらダメ?メリットや注意点を解説 | 【楽天市場】 Mama’s Life

カリウム | 栄養素から見た腎臓〜腎由来のさまざまな血液中の成分の異常|ADPKD.JP |大塚製薬

まとめ

・スイカの原産は砂漠!
・スイカは種類によって味が違う
・スイカはしっかりと重みを感じ、縞模様がはっきりと鮮やかに見えるものを
・スイカの嬉しい栄養素:カリウム・ビタミンA・ビタミンC・ビタミンB6・パントテン酸・マグネシウム・シトルリン・βカロテン・リコピン
・妊婦さんも安心して食べられるスイカ。食べすぎないように
・カリウム制限を受けている方は注意

スイカには嬉しい栄養素がたくさん含まれていることが分かりました。
夏の暑い日に、冷たいスイカを味わいながら、大切な栄養素を摂取することができますね。
スイカの栄養と効果を知ることで、より一層その味わいを楽しむことができるのではないでしょうか。
この夏はスイカで健康になりましょう。

文/hal

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