「朝のクモは縁起がいい」と取り合ってくれず
クモはダニやハエなどをエサとして食べてくれることから益虫とも呼ばれ、「殺さない」という人も多いようですが、ナツさんにとってはあり得ないことでした。一度、共有スペースにクモが出たので勇気を振り絞って叩き潰そうとしたところ、義母に諭されてしまいます。
「義母は、占いや幽霊などスピリチュアルなことにまったく興味がないにもかかわらず、『朝のクモは縁起がいいから殺しちゃダメ』と言うのです。結局、クモは取り逃がしてしまいました。それから何度もクモと遭遇。そのたびに嫌な思いが積み重なっていきました」
そしてついに、手のひらほどもある大きな薄茶色のクモが出現。都会育ちのナツさんは、そんなクモを見たことがありません。ところが、悲鳴を聞いて駆けつけた義母は、「あぁ、これは家グモだから大丈夫。昔から、家を守ってくれるって言われているのよ」と言うばかり。
「そうこうしているうちにクモが私のほうへやってきて、近くの隙間にヒュッと隠れてしまったのです。それはもう、トラウマ級の衝撃。すぐお義母さんに、本当にクモが怖いこと、そして駆除したいことを真剣に伝えましたが、『すぐ慣れるわよ』とバッサリでした」
夫に相談するも、的外れな反応
ナツさんは「このままでは、お義母さんとの同居はムリ。どうにかしてほしい」と半泣き所状態で夫に相談を持ちかけます。けれど夫も、「すぐ慣れるよ。クモぐらい、実家でも出ただろ?」と真剣に取り合ってくれません。
「しかも私が構ってほしいと勘違いしたのか、『怖かったな』と抱きしめてきたのです。こっちからしたら、意味不明。抱きしめられたって、何の解決にもなりません。それ以降、真剣に取り合ってくれず、事あるごとに諭してくるだけの夫にうんざりしています」
クモの出現がキッカケで、やさしいと思っていた夫や姑が自分の悩みと真剣に向き合ってくれないことがわかり、「いつか離婚に発展するかも」と怒りを滲ませるナツさん。たかが虫、されど虫。大切な人の悩みはムシ(虫)しないよう、真剣に耳を傾けたいものです。
<文/山内良子>
配信: 女子SPA!
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