「男性乳がんのしこりに痛み」はある?症状についても解説!医師が監修!

「男性乳がんのしこりに痛み」はある?症状についても解説!医師が監修!

男性乳がんの症状としこりの特徴

男性であっても乳がんの症状と特徴は女性と変わらず、早期発見と早期治療が重要です。乳がんは体表面の浅い部分にできるため初期の段階から気付きやすく、早期発見できれば身体への負担が少ない治療を選択できる可能性が高くなります。
しかし、男性は胸に違和感があっても乳がんとは思わず検査が遅れてしまうケースが少なくありません。乳がんを疑うべき、代表的な症状を解説します。

周りの皮膚が引きつる

乳腺にしこりができて膨らむと、周りの皮膚が伸ばされて引きつる感覚があります。胸の皮膚が引っ張られて違和感を覚え、触ってコリコリと硬くなっている部分があったら、早めに乳がん検査を受けましょう。

乳頭が陥没する

男性の乳がんは乳頭付近に症状がでることが多く、乳頭後部にしこりができるだけでなく、乳頭が陥没することもあります。乳腺にできたがんが周りの細胞に広がり、浸潤によって皮下組織が壊されている状態です。

腋窩リンパ節が腫れる

腋の下には乳腺につながるリンパ管が多数とおっており、腋の下のリンパ節を腋窩リンパ節といいます。
腋窩リンパ節は乳腺で生じたがんがリンパ管に侵入して到達しやすいリンパ節で、がんが転移しやすい部位です。腋窩リンパ節が腫れてコリコリと硬くなっている場合は、乳がんの転移の可能性があります。

乳頭から出血する

乳頭から出血したり、透明な分泌物が出たりする場合には、乳頭の下でがんが大きくなっている可能性があります。
もともと乳頭が大きく硬い方の場合、しこりに気付かず出血するまで発見が遅れることが少なくありません。

しこりはゴツゴツして硬い

乳がん以外にも胸部にしこりができる病気はありますが、乳がんの場合はゴツゴツして硬いしこりができるのが特徴です。
女性の乳房のようにやわらかく膨らむのではなく、ゴツゴツして硬い物体が皮膚の下にできるため、触って知覚できる場合が少なくありません。皮下脂肪が多い方の場合は触知しにくく、胸の膨らみによって気がつくケースもあります。

触ってもしこりがあまり動かない

乳がんのしこりは初期段階では触って動かせますが、進行すると胸部に癒着して動かなくなります。
癒着して固定された腫瘍がある場合、乳がんステージ3B期となり、外科手術による切除が難しくなります。動いていたしこりが動かなくなってきたら、早めに乳腺外科を受診してください。

女性化乳腺症(女性化乳房症)の症状との見分け方

男性乳がんと似た症状の病気の一つに、女性化乳腺症(女性化乳房症)があります。乳腺が女性ホルモンによって膨らむ症状で、男性乳がんかと思って受診した方が女性化乳腺症(女性化乳房症)であったケースは少なくありません。
乳がんは乳腺など乳房の組織にできるがんで、男性にも乳腺があるため乳がんになる可能性はあります。同じように女性化乳腺症(女性化乳房症)のリスクもあるため、乳がんとは異なる女性科乳腺症の特徴を解説します。

乳頭がかゆい

女性化乳腺症(女性化乳房症)は乳腺の炎症であり、乳腺は乳頭につながっているためかゆみや痛みがでることが少なくありません。乳頭が赤く腫れたり、分泌物が出たりする場合には男性であっても女性化乳腺症(女性化乳房症)の可能性があります。
ただし、乳がんの初期でも似た症状が出ることがあるため、早めに病院で検査を受けましょう。

触ると痛みがある

乳がんのしこりは痛みがないことが大半で、触るとゴツゴツして硬い感触があります。女性化乳腺症(女性化乳房症)で乳腺が肥大している場合には、しこりが硬くなく、押すと痛みを感じます。
女性化乳腺症(女性化乳房症)では触らなくても疼痛が続くことがあり、胸部や乳頭の痛みで受診する患者さんが少なくありません。

しこりで乳房に圧迫感がある

女性化乳腺症(女性化乳房症)が進行すると、乳房が大きく膨らみ胸部に圧迫感が生じます。男性の胸が膨らむ原因は女性化乳腺症(女性化乳房症)のほかにも、肥満によって胸部に皮下脂肪が増えて乳房のようになっている場合があります。
肥満の場合はしこりがないため圧迫感が少なく、乳頭を押しても痛みは生じません。乳頭付近に大きなしこりができて圧迫感があり、痛む場合には女性化乳腺症(女性化乳房症)か男性乳がんの可能性があるため早めに受診してください。

触るとグミのような感触がする

女性化乳腺症(女性化乳房症)のしこりはグミのようにやわらかく、弾力があります。しこりの部分を親指と中指で下からつまむように持ち上げると触知しやすく、触ると痛みがあるのが特徴です。
乳腺が腫れるように肥大化しているため、乳がんのように胸部に癒着して動かなくなることはありません。

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