「インプラント周囲炎」の対処法はご存じですか? 再治療の有無や予防のポイントも歯科医が解説!

「インプラント周囲炎」の対処法はご存じですか? 再治療の有無や予防のポイントも歯科医が解説!

治療後は「インプラント周囲炎」に要警戒! 予防法やセルフケアのポイントについて

編集部

インプラント周囲炎を予防するために、治療後はどのような点に注意したらいいでしょうか?

岡田先生

ご家庭でのセルフケアの徹底に加え、治療が終わった後も定期的にメンテナンスを受けることが非常に重要です。

編集部

治療後も歯科医院に通院するべきなのですね。

岡田先生

はい。インプラント周囲炎を予防するうえでは、その前段階のインプラント周囲粘膜炎をいかに早く見つけるかが非常に重要なポイントとなります。それを見極めるためには3カ月に1回の通院では少ない、というのが個人的な見解です。患者さんの全身状態や埋入したインプラントの本数によっては、1カ月に2回ほど通っていただく場合もあります。

編集部

それほどまでに、治療後はインプラント周囲炎に警戒が必要なのですね。

岡田先生

インプラントは口内に入る異物なので、天然歯のような防御反応や自分で病気を治すシステムがそもそも備わっていません。したがって、最初に入れた状態を長く維持するためには、メンテナンスしか方法がないわけです。さらに付け加えると、自身の歯を失ったということはお口の中に何らかの原因があることも忘れてはいけません。歯を失う原因はインプラントを失う原因と直結しているわけですから、いま一度「なぜ、歯を失ったのか」をよく考えていただければと思います。

編集部

セルフケアにおけるポイントがあれば教えてください。

岡田先生

インプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎を予防するうえでは、インターデンタルブラシ(歯間ブラシ)を使っていただくことが重要です。インプラントとインプラントの間、もしくはインプラントと歯の間を意識しながら、丁寧に汚れを落とすようにしてください。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

岡田先生

インプラントは非常に優れた治療オプションである一方で、「諸刃の剣」のような側面も持っています。インプラントを10年、20年と長く良好な状態に維持するためには、歯科医師や歯科衛生士に全てを任せるのではなく、患者さんを含めた三者一体で取り組むことが非常に重要です。インプラントは異物(人工物)であること、さらに自分が歯を失った理由なども忘れないようにしながらメンテナンスに取り組んでいきましょう。

編集部まとめ

インプラントの動揺(グラグラ揺れる)や脱落(抜け落ちる)の原因になるインプラント周囲炎は、治療後にもっとも警戒すべき疾患であることがわかりました。最大の原因が口腔清掃の不良であることから、治療後はセルフケアの徹底に加えて、歯科医院に定期的に通院しながらメンテナンスを受けることが重要です。インプラント治療を受ける際は、治療後も長期的に管理を積極的におこなってくれる歯科医院を選びましょう。

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