「今日は排卵日だから」と言うと帰りが遅くなる夫
先日、由岐さん(39歳、仮名)から、「離婚を決めた」と報告がありました。私のところに相談に来てから約2年です。
由岐さんと夫(40歳)は6年の交際期間を経て結婚。交際中も、彼に対して「浮気か?」と思ったことは何度かありました。サバサバしている由岐さんは、際立った行動をしないのであれば別にいいやと目をつぶっていましたが、不妊治療をスタートしてから、夫の態度が変わり始めます。
「今日は排卵日だから」と言うと必ず帰りが遅くなり、帰ってこない日もありました。こうした状況が毎月続くので「本当は子どもが欲しくないの?」と尋ねると、夫は「いや、欲しいよ」と答えます。しかし、排卵日に彼はやはり家にいない。由岐さんが「欲しくないなら、欲しくないって言えばいいじゃん」と怒ると、「排卵日の由岐は般若みたいで怖くて、したいと思えない。だから無理」。
「自分の態度が悪かったんだ」と由岐さんは反省し、それからは排卵日を告げず、自然に夜の営みができるように気を使いました。しかし、それでも、夫は排卵日あたりにしようとはしません。
そんなある日、夫の浮気が発覚。問い詰めると「子どものことを言い出してから、由岐が切羽詰まっていて、リラックスできなくて。それで他に女を求めた」。
由岐さんが思い悩みながらも夫婦仲回復への努力をする一方、夫は開き直ったかのように浮気を継続。「もう無理なんだ」と由岐さんは離婚を決意しました。夫はあっさり離婚届に判を押したそうです。
パートナーの浮気発覚時に見極めなければならないこと
みどりさんと由岐さん、2人の夫たちはあまりにも違います。決定的な差は何でしょうか。
みどりさんの夫は妻を尊重し、幸せな家庭を築きたいと努力しています。その姿を彼女も認め、幸せを感じています。みどりさんの仕事を応援し、かわいい子どもと自分を愛していると言ってくれる夫に満足しているのです。
対して、由岐さんの夫は浮気が見つかっても怒らない妻を見て、自分勝手な行動を繰り返し、妻と分かり合おうとする態度がありませんでした。私は由岐さんからしか話を聞いていないので夫側の真意は分かりませんが、離婚した妻の口から出るのは罵詈(ばり)雑言ばかり。由岐さんが結婚生活に幸せを見いだせず、満足していなかった証拠です。
パートナーの浮気発覚時に見極めなければならないのは、「自分自身が幸せと思える日々を過ごせているかどうか」です。「第三者から見てどうか」なんて全く関係ありません。夫婦の常識は夫婦で決めることだから。
先述の川崎希さんは夫について、「浮気をしても自分の容姿は褒めてくれるし、レディーファーストだし、理不尽なことを言っても許してくれる」と、よい点を言葉にしています。浮気への怒りを封じ込める威力を持つ「“理想の夫”要因」がいくつもあるということです。
そして、「ホテルに行く前にデートされるのは嫌だ」という浮気の線引きが明確にできています。恋愛モードにならず、ホテルで過ごすだけならOKという川崎さんならではの線引きがあり、アレクさんはそれを理解している。バレたときには「やっぱり君が一番」と妻をたたえる。そして、妻は「数多くの女と比較されても私が頂点にいる」という優越感を味わう――。お二人にとって浮気はもはや、夫婦仲を新鮮にキープするためのイベント的な役割なのかもしれません。
以前、“性愛の巨匠陣”である山本晋也監督、溜池ゴロー監督とそれぞれ対談したとき、お二人とも「嫉妬は最高のセックスレス防止」ということを話されていました。川崎さん夫妻の関係性は、ルールのある浮気で嫉妬心を引き出し、愛を活性化していると受け取ることができます。浮気相手の女性には失礼極まりないことですが…。
夫の浮気で「サレ妻になるのは絶対許せない!」と憤慨せず、「いや、待て。これをきっかけに私たち、一皮むけるかも」と考えてみる方法です。ただし、夫がアレクさんのように日頃から、妻を心地よくさせておかないと意味はありません。浮気夫を許すか、制裁するか。今回のお話が、いざというときの参考になればと思います。
配信: オトナンサー
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