世の乱れを正すために、事態が少しずつ動き出している。それは一条天皇に大きな決断が求められることを意味する。
それぞれが子を為し、年を重ねていく中で、ひとつの命の灯が消えた。
独特の子育て
まひろ(吉高由里子)が娘を出産。自分でおむつを変えたりと、子育てに励む。0歳児に『蒙求』を聞かせるまひろ、渋い。
そこにやってきた惟規(高杉真宙)は「おでこが宣孝さまに似ているね」「耳のあたりも」と言う。まひろは「やめて」と咎めるが「娘は父親に似ると言うから」と惟規。父親は道長(柄本佑)なので、似ているとしたら道長なのだけれど、とこちらがハラハラしてしまうが惟規は「無理はしていないよ」と付け加える。もしかして、何か気がついている……? と思わずにはいられないのだけれど、どうなのだろうか。勉強は苦手だけれど、実は鋭くて、そして優しい弟。ずっとまひろの味方でいてほしい、と思わずにはいられない。
そんな娘の名は「賢子(かたこ)」。任地から戻った宣孝(佐々木蔵之介)がつけた。まひろの子なら、きっと賢い子だから、と。さりげないけれど、父親については触れないのはさすが。「機嫌のよいときのまひろに似ている」と言うなど、あくまで「自分の娘」というよりは「まひろの娘」として話をする。頭では分かっていても、これを自然とできるのがすごい。
それにしても宣孝が賢子を見て「いくらでも見ていられる」と言っていたが、作中に登場する赤ちゃんが本当にみなとてつもなくかわいい……。
彰子に自身を重ねる一条天皇
一方、道長は相変わらず一条天皇(塩野瑛久)について頭を悩ませていた。定子(高畑充希)を寵愛し続ける一条天皇。しかし、このままでは世が乱れるばかり。
そんな道長に安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)が提案したのは「一帝二后」。ひとりの帝に対して、皇后と中宮を立てるということだ。これは今までに前例がないことになる。
もちろん、一条天皇はこれを拒む。自分の后は定子だけ。一条天皇の中で、后をもうひとり立てれば、定子が悲しむだろう、という思いもあった。
そんな中、一条天皇は彰子(見上愛)のもとを訪れる。自身の笛を聞かせる一条天皇だが、彰子はそちら見ようとしない。なぜ自分のほうを見ないのかと問う一条天皇に彰子は「笛は聴くもので見るものではない」と答える。この答えに、一条天皇はわずかに微笑む。一条天皇は「おもしれー女」が好きなのだ。
そこで、一条天皇は、道長が彰子を中宮にすることを望んでいるがどう思っているのかと問いかける。しかし、彰子は「仰せのままに」と言うだけ。これでは一条天皇の心を掴めない……周りは落胆する。が、一条天皇は父親の言いなりになっている彰子に、自身を重ねていた。それなら、彰子を形のうえで后にしてもいいかもしれない、と心を動かす。何が良い方向に作用するか分からないものだ。
配信: 女子SPA!