アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。
母・あーちゃんの誕生日会の前に少し時間ができたので、姉と3人でブラブラしながら時間をつぶしていたときのこと。イベントスペースのような場所でお菓子を安売りしていて、あーちゃんはそれに釘付け……。ワフウフさんたちが声をかけると動き出しますが、視線はお菓子にロックオンのまま。その様子を見て、ワフウフさんはまた押入れチェックをしなくてはいけないかなと思ってしまいました。さらにこの日は、いつも以上にあーちゃんの足元がおぼつかない印象。素材と季節が合わないからと、なかなかぺたんこ靴を履こうとしないあーちゃんに、ワフウフさん姉妹の心配は募るばかりです。
一体何の話…?
あーちゃんが受けるいつものインスリン注射の日。付き添いは姉・なーにゃんですが、前日の確認メールができなかったため、当日の朝メールを送りました。あーちゃんからはすぐに返信が届いたので、安心していたのですが……待てど暮らせど来ず。結局1時間遅れで到着しましたが、その時間からメールを見て急いで準備を始めたのだと思ったなーにゃん。もうスケジュールの自己管理はできなくなっているようです。
ある朝、あーちゃんから電話がかかってきて、実印が必要だと言われました。嫌な予感です。
用件を聞いてもわからないと言い……。
期限を聞いてもわからないと言います……。
話を聞けば聞くほど怪しい。
しばらく押し問答が続いて……。
あーちゃん、ついにキレました。
「とにかく」を連発するので、なんとなく意味まで調べてしまいました。他の事柄は別問題として……なんて思える状況ではありません。もう少し話を聞いてみることにしました。すると、今度は保険証が話に登場。
そのまま保険証の話題へ……。
保険証と診察券がないと言いだし……。
なぜかここで「バーベキューセット」が登場。
また怒り出しました。
何の話……!?
朝から家の電話が鳴ったので出てみると、案の定あーちゃんから。用件は「保険証の手続きで実印が必要だから、持ってきてほしい」と……。実印がいると言いだすと、ロクなことがなく、経験上本当に必要だったこともありません。
もう少し詳しく話を聞いてみようとしても、手続きの内容も期限もわからないようです。とにかく電話がかかってきて、実印が必要だと言われたと譲らないあーちゃん。目的がわからない以上、渡すわけにはいかないと言うと「じゃあどうすればいいの!?」と突然キレてきて……。どうすればいいか聞きたいのは、こっちも同じです。
あーちゃんがキレても、私は動じることなく話を続けました。すると、どんどん話が変わってきて、なぜか「バーベキューセット」とつぶやくあーちゃん。そして、さきほどの話と合体して、いつしか「バーベキューセットを区役所に持って行かないと」という話に発展しました。一体何の話をしているのか、まったく理解できません……。
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実印はただの印鑑ではないので、理由もわからずに渡すわけにはいかないですよね。でも、あーちゃんからすると、いつもならサポートしてくれるはずの娘が思ったように動いてくれなくて、つい感情的になったのかもしれません。離れて暮らしながら介護をする大変さも多いと思いますが、こういった貴重品の管理が厳重にできるのは、離れて暮らしているからこそのメリットではないでしょうか。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者/ワフウフ
昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。
2023年4月、書籍「アルツフルデイズ 笑いと涙の認知症介護」発売。
配信: 介護カレンダー
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