疲労感や目のかすみ、喉の渇きなどは要注意!中高年世代が気を付けたい糖尿病とは【医師解説】

疲労感や目のかすみ、喉の渇きなどは要注意!中高年世代が気を付けたい糖尿病とは【医師解説】

糖尿病の治療と予防

1型糖尿病は、インスリンを出す細胞が壊れているので、インスリン注射の治療が必要となります。インスリンの量や種類などは一人ひとり異なり、食事ごとの血糖値などを見て調整する必要があります。定期的な通院を続け、主治医ともよく相談しましょう。

2型糖尿病の治療のメインは、食事や運動習慣の見直しです。年齢や生活環境などに合わせて目標値を決め、生活習慣を改善させることで血糖値を正常の範囲にコントロールしていきます。なかなか目標値に届かない場合などは、服用やインスリン注射をするケースもあります。

食事療法

食事療法の基本は、適正なエネルギー量で、バランスの良い食事を、規則正しく取ることです。糖尿病の疑いがあると診断されたら、まず食事療法を始めます。食事療法で体重がコントロールできると、インスリンの分泌能力や働きが改善することが多いです。

<食事療法のポイント>
・ベジファーストを心がける
・ラーメン+ご飯など、炭水化物のダブル食べはしない
・ゆっくり、よくかんで食べる
・主菜、副菜、汁物などをバランスよく食べる
・食事は腹八分目でストップ
・夜遅く、寝る前には食べない など

食事は人生の楽しみでもありますよね。そのためあまり無理をしたりストレスがたまったりすると、治療へのモチベーションが下がってしまうことも。糖尿病は治療の継続がとても大切です。そのため、好きなものを食べていいご褒美の日や、友だちと食事をする日は制限を緩めるなどして、無理せず食事療法を続けましょう。

運動療法

運動療法は、ややきつめの有酸素運動が勧められます。年齢や基礎体力などを考慮しながら、ウォーキング、ジョギング、ラジオ体操、水泳など、全身の筋肉を使う運動を週に2〜3回、20分以上おこなうのが基本です。運動を続けることで基礎代謝が上がり、中性脂肪や体脂肪の減少、血圧や血糖値の低下、糖質代謝の改善などが期待できます。運動を継続して筋肉量が増えると、血糖値を下げるインスリンの効果も高まるともいわれています。そのため、筋力トレーニングも糖尿病の改善に効果があります。最近の研究では、有酸素運動と筋トレを組み合わせることで、より治療効果が高まることも明らかになっています。

中高年でも取り組みやすい運動は、「ウォーキング」です。30分〜1時間程度を目安にすると良いでしょう。時間が取れないという人は、通勤や買い物など際の歩き方を早歩きに変えるだけでもいいので、まずは日常的に体を動かすことを意識してみてください。スクワットや腕立てなど無理なくできる筋トレも、週に2〜3回ほど取り入れられると良いでしょう。

まとめ

糖尿病は、定期検診を受けることで早期発見につながり、治療を続けていればそこまで怖い病気ではありません。しかし最近、新型コロナウイルスの影響などから気付いたら数年、定期検診を受けていない……なんて人も多いようです。定期検診を受け忘れているという人や、目のかすみ、喉の渇きなど気になる症状がある人は、早めに検診を受けるのがおすすめです。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

取材・文/早田佳代
編集プロダクション勤務を経て、フリーの編集・ライターに。コロナ禍でMAX体重を更新し焦ってランニングを始め6kgほど意地で落とす。が、そこからはずっと横バイで、アラフィフの代謝の悪さを思い知る。目標はあと4kg……。

著者/監修/高木 知子 先生
四谷内科・内視鏡クリニック 医師。東京医科大学卒業。東京医科大学病院などで糖尿病内分泌内科医として、糖尿病をはじめとする生活習慣病(高血圧、脂質異常症等)や、甲状腺疾患等の治療に携わる。予防医学や健康寿命の大切さに重きを置き、一人ひとりのライフスタイルに合わせた検査や治療の提案、サポートを続けている。

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