「子宮頸がんのステージ別・症状」はご存知ですか?治療法・予防法も解説!

「子宮頸がんのステージ別・症状」はご存知ですか?治療法・予防法も解説!

子宮頸がんは20代後半から増加する、若い人にも多いがんです。初期では自覚症状がない点が特徴です。

では子宮頸がんが進行すると、どのステージでどのような症状が現れるのでしょうか。

女性であれば誰もが発症リスクを持つ病気です。正しい知識を持っておきましょう。

今回は子宮頸がんのステージごとの症状を中心に、治療方法や予防法まで解説します。

≫「子宮頸部腺がん」の前兆となる初期症状はご存知ですか?医師が徹底解説!

監修医師:
阿部 一也(医師)

医師、日本産科婦人科学会専門医。東京慈恵会医科大学卒業。都内総合病院産婦人科医長として妊婦健診はもちろん、分娩の対応や新生児の対応、切迫流早産の管理などにも従事。婦人科では子宮筋腫、卵巣嚢腫、内膜症、骨盤内感染症などの良性疾患から、子宮癌や卵巣癌の手術や化学療法(抗癌剤治療)も行っている。PMS(月経前症候群)や更年期障害などのホルモン系の診療なども幅広く診療している。

子宮頸がんとは

子宮頸(しきゅうけい)がんは子宮の入口にできるがんで、高齢の患者さんよりも30〜40歳代の若い患者さんに多い特徴があります。
一生のうち、76人に1人程が子宮頸がんと診断され、2021年には年間2,894人が亡くなりました。子宮がんは女性特有のがんのなかで、乳房についで2番目に多く診断されているがんです。

子宮の入口にできるがん

子宮は入口を含む下から3分の1側を子宮頸部、それより上部の卵管や卵巣を含む部分を子宮体部と呼んで区別します。
子宮頸がんはこの子宮頸部に発生するがんです。子宮頸がんは特に子宮の入口、外子宮口の付近に発生するケースが多いといいます。

CIN(子宮頸部上皮内腫瘍)やAIS(上皮内腺がん)を経てから発症する

子宮頸がんには、異形成と呼ばれるがんの前段階(前がん病変)があります。異形成とは、子宮頸部でがんに進行する可能性がある細胞が増えている状態です。
異形成はCIN(子宮頸部上皮内腫瘍)とも呼ばれ、病変の程度が大きくなるとAIS(上皮内腺がん)になります。

子宮頸がんのステージによる症状

子宮頸がんはほかのがんと同じく、がんの進行程度をI〜IV期のステージで分類します。以下ではどのステージで、どのような症状が現れるのかを具体的に解説します。

初期は自覚症状に乏しい

子宮頸がん前段階のCINやAISの時期には、おりものの変化・痛み・出血といった初期症状はありません。
ステージI期初期の症状も一般的には無症状で、この段階で患者さん自身が子宮の異常に気がつくことは困難です。早期発見には定期的な検査が必要です。

帯下や生理日以外の不正出血

子宮頸がんがI期・II期・III期と進行すると、子宮から出るおりものや経血などに以下のような変化が現れます。

月経以外での不規則な出血がある(不正出血)

おりもののにおいが強くなる

おりものが濃い茶色になる

水っぽいおりものが出る

膿・大量の粘液が出る

通常の生理周期と異なる出血や、異常なおりものが見られる場合は早急に産婦人科を受診してください。

性行為時出血

子宮頸がんが進行すると、性行為時の出血が見られます。この症状はI期から報告される症状です。
妊娠を希望する場合、I期の初期段階で子宮頸がんを発見できれば、手術を受けることなく厳重管理下での経過観察という選択肢も出てきます。
子宮に違和感があったならば、早めに医師に相談しましょう。

下腹部の痛み

子宮頸部からがんが拡大すると、腹部に痛み・違和感・膨満感が現れます。がんに冒された部分が腫れ、周囲を圧迫するためです。
子宮頸がんでがん腫瘍が肥大し始めるのはI期後半、がんが子宮頸部を超えて拡がり始めるのはII期以降です。
この頃には尿道と周辺組織も圧迫され始めるため、排尿時の痛みや排尿しにくさなどの排尿異常も見られます。

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