「子宮頸がんのステージ別・症状」はご存知ですか?治療法・予防法も解説!

「子宮頸がんのステージ別・症状」はご存知ですか?治療法・予防法も解説!

子宮頸がんのステージごとの治療方法

子宮頸がんで選択される治療方法は大きく分けて以下の3種類です。

手術

放射線治療

薬物治療

医師は患者さんの希望・生活環境・年齢から総合的に判断して、治療法を決定します。特に子宮頸がんの治療で配慮すべきなのは妊娠の可能性、妊孕性(にんようせい)の問題です。
がんの進行状況によっては、妊孕性の温存が難しかったり、妊孕性温存治療を選択したりすることで患者さんのリスクが高まるケースもあります。
治療法は患者さん自身もよく勉強しながら、医師と相談して後悔の残らないよう決めましょう。

子宮頸部円錐切除術

子宮頸部の一部を円錐状に切除する手術です。病変の拡大を調べる場合と、前がん病変部分を完全に切除する場合に選択されます。子宮の入口のみを切除することになるため、妊孕性を残せるでしょう。
しかし子宮頸部が短くなることで、以下の問題が生じます。

早産リスクが上がる

妊娠しにくくなる

月経血が出にくくなる

子宮頸がんを定期検査などで初期に発見できた場合には、子宮頸部円錐切除術のみでの完治も目指せます。

広汎子宮頸部摘出術

がんが拡がっている子宮と周辺組織、周辺リンパ節、膣の一部を切除して根治を目指す手術です。がんを完全に切り取ることができる可能性が高まるメリットがありますが、以下のデメリットもあります。

リンパ浮腫

排尿トラブル

性生活への影響

広汎子宮頸部摘出術よりも切除範囲を狭めた手術に準広汎子宮全摘出術、子宮のみを摘出する手術に単純子宮全摘出術もあります。いずれの場合も子宮を失うため、妊娠はできなくなります。

同時化学放射線治療

放射線治療と薬物治療を組み合わせた治療法です。細胞障害性抗がん薬で治療の効果を高めながら、高エネルギーのX線やガンマ線で細胞内のDNAを直接攻撃します。
放射線治療により卵巣の機能がほぼ失われるデメリットがあります。しかし手術よりも排尿機能や性生活への影響が少ないメリットが魅力です。

薬物治療

薬物治療は、進行が進みがんが全身に転移している、Ⅳ期末期の子宮頸がんに選択されます。治療目的は根治ではなく、QOLを保ちながら生存期間を延ばすことです。
子宮頸がんに使われる抗がん剤はシスプラチンという薬が中心です。さらに別の抗がん剤を組み合わせたり、ベバシズマブという分子標的薬を使ったりするケースもあります。

子宮頸がんにならないための予防法

子宮頸がんは初期症状から発見することは難しく、進行すれば初期から妊娠に影響する手術が必要になるがんです。
そのため、子宮頸がんになる前の予防が重要です。以下では若いうちから始めたい子宮頸がんの予防法を解説します。

ワクチン接種

子宮頸がんはワクチン接種で予防できる病気です。子宮頸がんは、主に性交渉で感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因です。
HPVには複数の種類がありますが、安全性と有効性が高い9価ワクチンを接種していれば、9割近くの感染を予防できます。
日本では小学6年生〜高校1年生相当の女子を対象に、患者さんの自己負担なしでワクチン定期接種が実施されています。詳細は自治体に確認してください。

子宮頸がん検診

子宮頸がんを予防、早期発見するために、20歳から2年に1回の頻度で子宮頸がん検診を受けましょう。
子宮頸がん検診は問診・視診・細胞診の3つの検査で完結します。検診はほとんど痛みもなく、短時間で終了します。自治体や職場の検診なら自己負担を抑えて検査ができるため、ぜひ活用してください。

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